曽根です。



栃木県から昨日八王子に来て、今日帰ろうとしたらエンジンがかからない・・・と、MRY様から連絡。


じゃ、保険会社の無料レッカーサービスを使ってキャメルオートまで運んでもらってください、と対応させていただいてから、30分くらいしたら、ドドドドッっと何発か点火してない排気音を轟かせて入場。。。


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いらっしゃいませ。 動いたんですね、でもかなり調子悪いですねぇ。。



今までの経緯をヒヤリング・・・・・・・・・

半年ほど前に、エンジンブローしてしまい、同年式の中古のエンジンに載せ替えてもらったとのこと。

ヤフオクで買ったので、エンジンは本人も承諾済みで保証なしとのこと。。

でも、載せ替えてから半年間でかなりの距離を走行してるそうなので、中古エンジンの初期不良ではなさそうですが・・・。






市川がさっそくチェックを始めます。 

明らかに何気筒か爆発してないですね。

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タイミングライトでハイテンションコードには電気が流れてます。




1本づつプラグコードを抜いてバランステストをしようと3番を抜くと・・・

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クランク内の圧力が上がりオイルレベルゲージが飛び出し、フィラーキャップを開けると中から煙が。。



こりゃ点火系じゃなく圧縮系統の異常のようです。

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コンプレッションを測りましょう。。 

 1番、4番は異常なし。。



あぁー。。

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2番、3番にコンプレッションがまったく無いです。。

2,3番の間は狭いので、まずはヘッドパッキン抜けが考えられますが、コンプレッションがゼロなので他にも原因があるかも。。


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MRY様にも一緒に確認してもらってます。 ゲージ見ながら、『あー』って感じ。





上から見る限りでは、ロッカーアームは動いてますのでバルブの固着はないようです。

ピストンやシリンダー側面に異常がないか、マイクロスコープで見てみましょう

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マイクロスコープでは、ピストンの破損は見つかりません。


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とにかく、ヘッドを開けてどうなってるのかを確認しましょう。

それしかないですねぇ・・・

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じゃ、ションボリしてるところの写真撮っちゃいましょう。。。。(ヤラセっぽい写真です)


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もし、ヘッドだけで済みそうなら、ちょっと余計に面研してもらいましょう。。 燃焼室はきれいになるし、バルブのすり合わせで、前よりだいぶ良くなっちゃうかも。。  と ポジティブなMRY様。



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つづく。

ここから先はメカニック市川にバトンタッチ。。

1月25日作業分
担当市川です。

MRY様。
修理が立て込んでおり、
お待たせし申し訳ございません。

本日、修理着工いたしました。

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車上整備にてエンジンヘッドを下していきます。



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まず、冷却水を抜きます。



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ターンフローエンジンでインマニとエキマニが共締めになっておりますので
一気に分解していきます。



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小型車の割には結構重い鋳鉄ヘッドを下しました。
現代の車はアルミ製で軽量ですね。
コストや製造技術の面で鉄製だったのでしょうか。
しかし、オーバーヒートに対する歪みはアルミ製に比べると強いですね。


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2番、3番間のガスケットが抜けております。



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下したヘッドの様子です。
これから、亀裂、損傷、バルブの密着、歪みなどを点検していきます。


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外したヘッドガスケットです。
液体ガスケットが塗られているので、以前ヘッドを下しているようです。


2月11日追加


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MRY様。
本日御来店いただきました。
修理御報告おくれて申し訳ございません。


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2番・3番の間の状態です。


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2番・3番の間に歪みがあります。
ヘッド面研加工にて歪みをとります。


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バルブシートにキズもあります。


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タイトプラグも腐食していますので交換します。


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もうしばらくおまちください。





2月14日作業分

お待たせしております、MRY様。
ヘッドが仕上がりましたので、載せていきたいと思います。


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面研することによって歪みが修正されました。
ヘッドは鉄の塊りなのですが、ウォーターラインやオイルラインが複数あり
燃焼室では爆発力を受けるので、過酷な環境で働いているんですね。
2番・3番の間はエキゾーストバルブが隣り合うので熱が、こもりやすいのは
この型の宿命でしょうか。


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古いスタッドボルトを抜きます。


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ブロック側の上面をオイルストーンにて掃除します。


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ストレートエッジにてブロック上面の歪みを測定します。
奥・手前・対角と複数個所で検査します。
ブロック上面側の歪みは大丈夫でした。


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スタッドボルトは損傷が多い為、新品に交換します。


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ネジ山が不良になっている箇所があり、タップを立て直します。


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ヘッド取付ナット、新品なのですがネジ山が最初から不良でした。
部品発注し直しします。
いましばらくお待ちを。


2月16日作業分

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ヘッドを載せ、トルクで締めたのですが

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スタッドボルトが折損してしまいました。

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詳しくはこちらで・・・。



2月19日作業分です。

本日、昼過ぎまで雪が降っていました。
今年は雪の降る日が多いですね




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もう一回ヘッドを下して組み直します。


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ラジエータキャップも傷んでいるので、圧力がかからずオーバーヒートの
原因となってしまうので交換いたします。


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サーモスタットも交換することによってオーバークールやオーバーヒートを
防止します。


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ラジエータのアッパーステーのゴムグロメットがヨレヨレなので交換です。
結構みんなヨレてます。小さい部品ですが不良になるとラジエータがガタつき
本体にダメージを与えますので、消耗パーツとお考えください。


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クランキングする前にエンジンオイルを交換します。



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圧縮圧力を測ります。4発ともバラつきなしでした。


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清掃前のピストントップのスラッジの状態です。
堆積することによって、異常燃焼などエンジンに悪影響を与えます。
ヘッドを下す修理であればきれいに清掃できますが
下さないのであれば、定期的にRECSやフューエルワンを施工することに
よって清掃することもできます。




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ミニモニ
でフォルトのチェックをします。
接続が楽なので、すぐ利用できて便利です。



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無事、エンジン始動しました。



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実走チェックをします。
異音・振動など問題なかったですが、スピードメーターが作動しません。
引き続き作業します。


2月22日作業分です。
長いことお待たせいたしました。
本日で作業が完了です。


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スピードメーターケーブルの交換です。
メーター側とドリブン側で取り外し交換します。

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ドリブン側の脱着が狭くて難儀します。
こんな時は小さい手が欲しくなります。

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ちょうど下したエンジンがあるので御説明します。
エンジン左側クランクプーリーの下側にケーブル取付部があります。



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軸は直角に変換され


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先端部がメインシャフトと噛みあいます。


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ミッションケースのなかでメインシャフトと連結され回転の動力が伝わります。
その回転をワイヤーケーブルでメーターに伝達します。


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バキュームホースも交換させていただきます。


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オイルエレメントにレアメタルを取付し潤滑効果を高めます。



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クーラーガスを注入しますが、八王子の寒さでガスがなかなか入りません。


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クーラントブースターを注入して完了です。




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MRY様。
長い間、お待たせいたしました。

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また、遠いところ御来店いただきありがとうございました。

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またの御来店スタッフ一同こころよりおまちしております。







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