曽根です。
前回、オートマ中枢部の分解点検でも、
バンドやクラッチの消耗が限界だったのと、
オイルシールが切れててバックの油圧不足の原因も判明したワークスAT。。。
次の分解点検はエンジン本体です。
MINIのエンジン&ミッションはこのように一体となってます。
そしてオートマ内で駆動するためのオイルもエンジンを潤滑するためのオイルも同じエンジンオイルの仕事。
人間で例えれば、
脳に行く血液も足に行く血液も、同じ心臓から送り出される血液が全身を駆け巡って、滞りなく循環してそれぞれが機能してますが、どこかで詰まったり、出血したりすると、命に係わる状況にも陥る・・・・・
オートマとエンジンもこんな関係です。
オートマが健康で長生きするには、健全な油圧が大前提ですが、
油圧低下の原因がエンジン本体にあることが大いに考えられるのです。
あちこちでメタルクリアランスが広くなったエンジンは、それぞれのメタルに潤滑する際に大量のオイルを必要とするので、穴だらけのホースで水撒きするのと同じで最後まで圧力は伝わりません。
エンジントラブルから出てくる金属粉などの不純物もオートマの大敵です。
だから、オートマだけでなくエンジン側の点検を合わせて行うことが重要なのです。
プライマリースラストはやや広がってました。 基準値は0.16mm以下ですが
オイル漏れ等の症状を引き起こしますので0.1mmまで追い込みます。
ロッカーアームの状態からも過去のメンテナンス、オイル管理の情報が得られます。
今回ワークスATはオプションのヘッドオーバーホールもするのでバルブ類すべて分解されます。
バルブシャフトを叩いてる部分は段付きになって陥没してます。
ヘッドオーバーホールの際はこの部分も平らになるまで磨かれます。
左側の4番、3番の排気バルブは白っぽいですが、右側の1,2番は黒っぽいですね。
シングルポイントのインジェクターで燃調が違うのは、バルブの当たりやインテイクからのエアの噛み込みの差なども考えられます。
キチッとオーバーホールすることでバランス良く燃焼するようになります。
さらに分解します。
3、4番のインテイクバルブ。
湿った状態でカーボンもこびり付いてます。
オイル下がりによるものと思われます。
こちらは、1,2番。 同様の状態です。
バルブに関しては当たり面を含めてすべてきれいに整えられます。
特に今回はヘッドを面研してマニュアルのクーパー並に圧縮を上げる作戦です。
その辺の詳細は後で。。
エンジンブロックの水路のコアプラグの内側は錆びてます。
新しいコアプラグを組み込む際にはシール剤を一面に塗って防錆しておきます。
ウォーターポンプ、コアプラグも外れた状態て後ほど高圧水路洗浄を行います。 究極の水路洗浄ですね。
オイルポンプのガスケットは一部飛んでました。
ピストン上部やシリンダー内面にこびり付いたカーボン汚れはひどいので
洗浄前に軽く取っておきます。
シリンダー内面もこれくらいにしないとピストンが抜けないです・・・。
クランクシャフトのスラスト測定。
10/100mmです。
規定値には収まってますがこれから10万キロ単位で安心して乗れるためには
3/100mm位まで追い込んで行きます。
次は親子メタル点検。。
油圧確保の観点からもここのクリアランスは最重要ポイントです。
両側の2個づつは、コンロッドメタル。(子メタル)
中央の3個がクランクのメタルです。(親メタル)
親メタルには回転方向に異物噛み込みのキズが入ってます。
当たり方も均等ではなくブロンズが見えてるところが一番すり減ってる部分です。
シリンダーブロックの裏側から見たところ。
シリンダーブロック側のクランクメタルを見ても、クランクシャフトの当たり方が均等でないことが分かります。
左側に重量のあるコンバーターがあり、反対側の右側のクランクメタルが一番偏心して当たるのがオートマ車の特徴です。
右側のクランクメタルを拡大すると・・・・・
右側(外側)の方が強く当たっていてブロンズが見えてます。
同じところに付くキャップ側のメタルを再度よく見ると、
逆に外側は、ほとんど当たってなく銀色のままです。
すべてのオートマ車がこのような擦り減り方になります。
なので、親子メタルはすべて交換となります。
シリンダーブロックの段付き摩耗は 基準値以内でしたのでそのまま使用できます。
ピストンリングの張りは弱ってましたのでリングだけ交換します。。
回転するカムに直接たたかれてるプシュロッドを押し上げる役目のバルブリフター。
今まで何回叩かれてきたんだろう・・・。
オートマ、マニュアルを問わず、すべてのリフターがこのような虫食い状態ですね。
3、4番のリフター、何となくこっちの方が虫食いが少ないです。。
通常は純正パーツのリフターを選びますが、今回ワークスATは ちょこっとチューンのひとつでスイフチューンの軽量タイプをチョイスすることにしました。。
バラバラにされた部品は洗浄のために箱にまとめられました。
カムも外されてますが、今回はインジェクション車で使用可能なハイカムに交換する予定です。 。
早くお風呂に連れてってくれー。。
すべて分解が終了しました。
これからエンジンもオートマも、新しい人生を歩きはじめるために生まれ変わります。
分解編は終了です。
これから いよいよ 壊れない安心オートマ組み付け (ギヤトレイン編)
エンジンは メタル交換されてキチッとクリアランス調整、
そして今回はワークスATを速くする為のレシピをいくつか混ぜて完成を目指すことにします。
クラシックMINI専門店 キャメルオート
http://camel-auto.co.jp/ TEL.0120-810-002
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前回、オートマ中枢部の分解点検でも、
バンドやクラッチの消耗が限界だったのと、
オイルシールが切れててバックの油圧不足の原因も判明したワークスAT。。。
次の分解点検はエンジン本体です。
MINIのエンジン&ミッションはこのように一体となってます。
そしてオートマ内で駆動するためのオイルもエンジンを潤滑するためのオイルも同じエンジンオイルの仕事。
人間で例えれば、
脳に行く血液も足に行く血液も、同じ心臓から送り出される血液が全身を駆け巡って、滞りなく循環してそれぞれが機能してますが、どこかで詰まったり、出血したりすると、命に係わる状況にも陥る・・・・・
オートマとエンジンもこんな関係です。
オートマが健康で長生きするには、健全な油圧が大前提ですが、
油圧低下の原因がエンジン本体にあることが大いに考えられるのです。
あちこちでメタルクリアランスが広くなったエンジンは、それぞれのメタルに潤滑する際に大量のオイルを必要とするので、穴だらけのホースで水撒きするのと同じで最後まで圧力は伝わりません。
エンジントラブルから出てくる金属粉などの不純物もオートマの大敵です。
だから、オートマだけでなくエンジン側の点検を合わせて行うことが重要なのです。
プライマリースラストはやや広がってました。 基準値は0.16mm以下ですが
オイル漏れ等の症状を引き起こしますので0.1mmまで追い込みます。
ロッカーアームの状態からも過去のメンテナンス、オイル管理の情報が得られます。
今回ワークスATはオプションのヘッドオーバーホールもするのでバルブ類すべて分解されます。
バルブシャフトを叩いてる部分は段付きになって陥没してます。
ヘッドオーバーホールの際はこの部分も平らになるまで磨かれます。
左側の4番、3番の排気バルブは白っぽいですが、右側の1,2番は黒っぽいですね。
シングルポイントのインジェクターで燃調が違うのは、バルブの当たりやインテイクからのエアの噛み込みの差なども考えられます。
キチッとオーバーホールすることでバランス良く燃焼するようになります。
さらに分解します。
3、4番のインテイクバルブ。
湿った状態でカーボンもこびり付いてます。
オイル下がりによるものと思われます。
こちらは、1,2番。 同様の状態です。
バルブに関しては当たり面を含めてすべてきれいに整えられます。
特に今回はヘッドを面研してマニュアルのクーパー並に圧縮を上げる作戦です。
その辺の詳細は後で。。
エンジンブロックの水路のコアプラグの内側は錆びてます。
新しいコアプラグを組み込む際にはシール剤を一面に塗って防錆しておきます。
ウォーターポンプ、コアプラグも外れた状態て後ほど高圧水路洗浄を行います。 究極の水路洗浄ですね。
オイルポンプのガスケットは一部飛んでました。
ピストン上部やシリンダー内面にこびり付いたカーボン汚れはひどいので
洗浄前に軽く取っておきます。
シリンダー内面もこれくらいにしないとピストンが抜けないです・・・。
クランクシャフトのスラスト測定。
10/100mmです。
規定値には収まってますがこれから10万キロ単位で安心して乗れるためには
3/100mm位まで追い込んで行きます。
次は親子メタル点検。。
油圧確保の観点からもここのクリアランスは最重要ポイントです。
両側の2個づつは、コンロッドメタル。(子メタル)
中央の3個がクランクのメタルです。(親メタル)
親メタルには回転方向に異物噛み込みのキズが入ってます。
当たり方も均等ではなくブロンズが見えてるところが一番すり減ってる部分です。
シリンダーブロックの裏側から見たところ。
シリンダーブロック側のクランクメタルを見ても、クランクシャフトの当たり方が均等でないことが分かります。
左側に重量のあるコンバーターがあり、反対側の右側のクランクメタルが一番偏心して当たるのがオートマ車の特徴です。
右側のクランクメタルを拡大すると・・・・・
右側(外側)の方が強く当たっていてブロンズが見えてます。
同じところに付くキャップ側のメタルを再度よく見ると、
逆に外側は、ほとんど当たってなく銀色のままです。
すべてのオートマ車がこのような擦り減り方になります。
なので、親子メタルはすべて交換となります。
シリンダーブロックの段付き摩耗は 基準値以内でしたのでそのまま使用できます。
ピストンリングの張りは弱ってましたのでリングだけ交換します。。
回転するカムに直接たたかれてるプシュロッドを押し上げる役目のバルブリフター。
今まで何回叩かれてきたんだろう・・・。
オートマ、マニュアルを問わず、すべてのリフターがこのような虫食い状態ですね。
3、4番のリフター、何となくこっちの方が虫食いが少ないです。。
通常は純正パーツのリフターを選びますが、今回ワークスATは ちょこっとチューンのひとつでスイフチューンの軽量タイプをチョイスすることにしました。。
バラバラにされた部品は洗浄のために箱にまとめられました。
カムも外されてますが、今回はインジェクション車で使用可能なハイカムに交換する予定です。 。
早くお風呂に連れてってくれー。。
すべて分解が終了しました。
これからエンジンもオートマも、新しい人生を歩きはじめるために生まれ変わります。
分解編は終了です。
これから いよいよ 壊れない安心オートマ組み付け (ギヤトレイン編)
エンジンは メタル交換されてキチッとクリアランス調整、
そして今回はワークスATを速くする為のレシピをいくつか混ぜて完成を目指すことにします。
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