曽根です。
納車整備で安心オートマをチョイスされたISD様の98年式のオートマです。。
納車までの本編は こちらです・・・・・
外装の手直しや内装リニューアルもご依頼いただいてますが、
ここでは、安心オートマ交換に関するところをお伝えします。
この車両のメーターは6万キロです。
が、以前に他のショップでの仕上の際に、3万キロあたりでエンジン&ミッションは新しくされているということでした。
実際に走行テストでも、タイムラグ、変速の具合、リバースのストールテストなどを行いましたが
異常は感じられません。
今回は、納車整備ということもあり、このように全く症状がでていないオートマを分解してのご報告です。
岩崎さんに到着してまな板の上に載せられました。
オイルの滲み、漏れはやや多い状態でした。
定番といわれる場所からですね。
まったく漏れのないウォーターポンプも分解されます。
水路のコアプラグの裏には錆もなく、やはり新品エンジンだったんだなぁ・・と感じさせるところです。
水路のコンディションは悪くない状態でしたが、
高圧洗浄機で中を洗えばやはり沈殿物は出てきます。
安心オートマに交換される際に必ず行われる水路洗浄はやはり必須ですね。
エンジンにとっても、こんなに中の方まで洗ってもらえることはそうそうないですからねぇ。
さて、フロントパネルを開けます。
一度は分解された形跡がありました。
フロントパネルには液体パッキンが使用されていました。
そして、こちらにも同じ液体パッキンが・・・
これはイケません。。 ここはフィルターヘッドです。
確かに漏れやすいところですが、ここには絶対に液体パッキンを使用してはいけないところです。
この液体パッキンが千切れるとせき止めるフィルターは無く精密なバルブボディまで進んでしまうのです。
リバースのサーボピストンを手で動かします。
安心オートマが5mmでセットされるところですが、やや消耗が進んでいるようです。
3速バンドは良好ですね
2速バンドもOK。
ここで思わぬ落とし穴が・・
オイルポンプの取付面のガスケットの一部が千切れて飛んでます。
ここから、オイルポンプの油圧が逃げてしまってます。
オイルポンプは油圧の源泉ですから、全体の油圧低下は免れないでしょうねぇ・・。
油圧が足りないと、ブレーキバンドの締め付けが緩くなって滑りを誘発 → サーボピストンのストロークが大きくなってシールが切れる → ますます油圧が漏れる・・・ という悪循環が始まってしまいます。
オイルポンプのクリアランスは 8/100mmで合格でしたので、
上のガスケット切れが惜しまれまれるところです。
このあたりは新品のエンジンの品質・・?? と思うとかなり残念ですが現実ですね。
各シリンダーの圧縮およびバルブ漏れテスト
4気筒ともに良好な状態でした。
ここでエンジンとオートマが分離されます。
さて、オートマ本体の分解が始まります。
中から取り出されたギヤトレイン。 リバースバンドのところにキズが見えます。
リバースドラムにはかなり深くキズが入ってしまってましたので、
再使用はせず、中古良品に交換します。
先ほどの油圧低下によるバンドの滑りがあったと思われます。
取り外されたブレーキバンド。
奥から、2速、3速、リバースです。
手前のリバースバンドは、摩擦材がほとんど剥がれて一部スチール部分が露出してました。
ギヤトレインのリバースドラムのキズの原因ですね。
ここまで消耗してましたが、バックのストールテストで滑らなかったのが不思議なくらいです。
ほんとに首の皮一枚のギリギリのところだったのですね。
新品のエンジン&ミッションでも、信用できなくなりました。
そして、ここにも油圧低下による被害者がいました。
トップ&リバースクラッチの、クラッチプレートが剥離 → エンドプレートを攻撃。。
このエンドプレートも再使用不可です。
ここも、ギリギリの状態だったのです。
オイルポンプのガスケット切れから始まった油圧低下が主犯です。
オイルポンプのストレーナーボトムには摩擦材のカスが付いてました。
もちろん、そのストレーナーが入ってるボトムにも摩擦材のカスが溜まってました。
次はエンジン部です。
オートマと切り離されたエンジンの下側です。
クランクが見えてますね。
大きいメタルがクランク 小さい方がコンロッドメタル。
合わせて親子メタルって呼んでます。
異物噛みこみの傷がなければ、メタルとしては良い状態だったですね。
お約束の、親子メタル交換の儀。。。
オイルはこのメタルの隙間を通り抜けてからヘッドの方に上がっていきますが、
このメタルクリアランスが大きくなっても油圧漏れが発生して油圧低下を招くことになります。
分解洗浄され、クリアランス調整、
そして消耗パーツのクラッチ板、ブレーキバンド、ピストンシール等が交換されて
合体。
キックダウンスイッチ。。
ここはオイル漏れの定番なのでアルミ製の対策パーツを使用しました。
写真はないですが、前進油圧、バック油圧は点検され
テスト用のMINIにエンジンごと積み込まれて走行テストです。
安心オートマは、こうして約30kmほどのテスト走行して問題ないのを確認してから届けられます。
今回も良いオートマが出来ましたので、かんぱーい!
今回は症状の出てないオートマでしたが、やはり分解整備して良かった!という結果でした。
キャメルで販売するMINIはすべて安心オートマにする必要を痛切に感じた1台でした。
納車整備の本編に戻る・・・・・
キャメルはブログランキング参加しています
ローバーミニ専門店 キャメルオート
http://camel-auto.co.jp/ TEL.0120-810-002
納車整備で安心オートマをチョイスされたISD様の98年式のオートマです。。
納車までの本編は こちらです・・・・・
外装の手直しや内装リニューアルもご依頼いただいてますが、
ここでは、安心オートマ交換に関するところをお伝えします。
この車両のメーターは6万キロです。
が、以前に他のショップでの仕上の際に、3万キロあたりでエンジン&ミッションは新しくされているということでした。
実際に走行テストでも、タイムラグ、変速の具合、リバースのストールテストなどを行いましたが
異常は感じられません。
今回は、納車整備ということもあり、このように全く症状がでていないオートマを分解してのご報告です。
岩崎さんに到着してまな板の上に載せられました。
オイルの滲み、漏れはやや多い状態でした。
定番といわれる場所からですね。
まったく漏れのないウォーターポンプも分解されます。
水路のコアプラグの裏には錆もなく、やはり新品エンジンだったんだなぁ・・と感じさせるところです。
水路のコンディションは悪くない状態でしたが、
高圧洗浄機で中を洗えばやはり沈殿物は出てきます。
安心オートマに交換される際に必ず行われる水路洗浄はやはり必須ですね。
エンジンにとっても、こんなに中の方まで洗ってもらえることはそうそうないですからねぇ。
さて、フロントパネルを開けます。
一度は分解された形跡がありました。
フロントパネルには液体パッキンが使用されていました。
そして、こちらにも同じ液体パッキンが・・・
これはイケません。。 ここはフィルターヘッドです。
確かに漏れやすいところですが、ここには絶対に液体パッキンを使用してはいけないところです。
この液体パッキンが千切れるとせき止めるフィルターは無く精密なバルブボディまで進んでしまうのです。
リバースのサーボピストンを手で動かします。
安心オートマが5mmでセットされるところですが、やや消耗が進んでいるようです。
3速バンドは良好ですね
2速バンドもOK。
ここで思わぬ落とし穴が・・
オイルポンプの取付面のガスケットの一部が千切れて飛んでます。
ここから、オイルポンプの油圧が逃げてしまってます。
オイルポンプは油圧の源泉ですから、全体の油圧低下は免れないでしょうねぇ・・。
油圧が足りないと、ブレーキバンドの締め付けが緩くなって滑りを誘発 → サーボピストンのストロークが大きくなってシールが切れる → ますます油圧が漏れる・・・ という悪循環が始まってしまいます。
オイルポンプのクリアランスは 8/100mmで合格でしたので、
上のガスケット切れが惜しまれまれるところです。
このあたりは新品のエンジンの品質・・?? と思うとかなり残念ですが現実ですね。
各シリンダーの圧縮およびバルブ漏れテスト
4気筒ともに良好な状態でした。
ここでエンジンとオートマが分離されます。
さて、オートマ本体の分解が始まります。
中から取り出されたギヤトレイン。 リバースバンドのところにキズが見えます。
リバースドラムにはかなり深くキズが入ってしまってましたので、
再使用はせず、中古良品に交換します。
先ほどの油圧低下によるバンドの滑りがあったと思われます。
取り外されたブレーキバンド。
奥から、2速、3速、リバースです。
手前のリバースバンドは、摩擦材がほとんど剥がれて一部スチール部分が露出してました。
ギヤトレインのリバースドラムのキズの原因ですね。
ここまで消耗してましたが、バックのストールテストで滑らなかったのが不思議なくらいです。
ほんとに首の皮一枚のギリギリのところだったのですね。
新品のエンジン&ミッションでも、信用できなくなりました。
そして、ここにも油圧低下による被害者がいました。
トップ&リバースクラッチの、クラッチプレートが剥離 → エンドプレートを攻撃。。
このエンドプレートも再使用不可です。
ここも、ギリギリの状態だったのです。
オイルポンプのガスケット切れから始まった油圧低下が主犯です。
オイルポンプのストレーナーボトムには摩擦材のカスが付いてました。
もちろん、そのストレーナーが入ってるボトムにも摩擦材のカスが溜まってました。
次はエンジン部です。
オートマと切り離されたエンジンの下側です。
クランクが見えてますね。
大きいメタルがクランク 小さい方がコンロッドメタル。
合わせて親子メタルって呼んでます。
異物噛みこみの傷がなければ、メタルとしては良い状態だったですね。
お約束の、親子メタル交換の儀。。。
オイルはこのメタルの隙間を通り抜けてからヘッドの方に上がっていきますが、
このメタルクリアランスが大きくなっても油圧漏れが発生して油圧低下を招くことになります。
分解洗浄され、クリアランス調整、
そして消耗パーツのクラッチ板、ブレーキバンド、ピストンシール等が交換されて
合体。
キックダウンスイッチ。。
ここはオイル漏れの定番なのでアルミ製の対策パーツを使用しました。
写真はないですが、前進油圧、バック油圧は点検され
テスト用のMINIにエンジンごと積み込まれて走行テストです。
安心オートマは、こうして約30kmほどのテスト走行して問題ないのを確認してから届けられます。
今回も良いオートマが出来ましたので、かんぱーい!
今回は症状の出てないオートマでしたが、やはり分解整備して良かった!という結果でした。
キャメルで販売するMINIはすべて安心オートマにする必要を痛切に感じた1台でした。
納車整備の本編に戻る・・・・・
キャメルはブログランキング参加しています
ローバーミニ専門店 キャメルオート
http://camel-auto.co.jp/ TEL.0120-810-002