曽根です。

新車からお乗りのMGM様の2回目のオートマトラブルです。。

99年式オートマ 40thアニバーサリーモデル 走行115650km

今回は安心オートマで決着します


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キャメルでのメンテナンスが始まったのは2012年からです。

当初からオートマの変速に異常があり2012年9月 94345km時にバックできなくなって

その当時扱っていたリビルトオートマに交換させていただきました

交換直後、オートマは快調だったのですが、ドレンボルトに付く鉄粉は多い状態が続きました。

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リビルトオートマ交換の翌年あたりから、タイムラグは大きく、変速ショックが気になるようになり、

今年になってからは信号待ちなどで停止する際のシフトダウン時はかなり大きな振動を伴うなど

不安な状態になってきたので走れなくなる前に『安心オートマ』に換装させていただくことにしました。

これで気になってるオイル漏れも一気に解決しちゃいましょう。


*このリビルトオートマは現在取り扱いしておりませんが当時3年保証付きで当社で交換させていただいてましたので、その分は保証修理とさせていただきます。


本編ブログはこちらです・・・、リビルトオートマから 『壊れない安心オートマ』へ 



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では、ここから九州佐賀からのレポートです。

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手術台に乗りました。 さてこれから解体ショーが始まります。

2か月前に取付けたばかりのPECS
がひときわ光ってます。。



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汚れたままのエンジンでオイル漏れの具合や、扱われ方を推測します。


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溜まるくらいのオイル漏れ。 半月シールかクランクシールからでしょうか。

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ヘッドからのオイル漏れは1番の奥側の外側のオイルデリバリーラインから。

ヘッドパッキンは交換が必要ですね。


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これ、オイルのドレンボルト。 

もう少しオイルが切れると先に付いてる鉄粉がハリネズミのようになってきます


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PECSを取り付ける前の12月に行った排油分析では、

鉄粉が通常の20倍以上排出されてるのがわかっています。

それが内部にどんな影響をもたらしたのか・・・・・・



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燃焼状態は少しバラツキはありますがまずまずですね。


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コンバーターを外します。

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漏れのあるコンバーターシールも交換できます

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おぉ、心配していたオイルポンプのクリアランスは 10/100mm。

安心オートマ基準でもOKでした。

サービスマニュアルでは 15/100mmまで使用可とされていますが、

今から10万キロ以上はそのまま使いたいので 厳しい基準を採用しています。






2か月前 走行114840㎞の時に取り付けたPECSを分解してみました。

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PECS取り付け後 たったの800㎞ですがテンコ盛りに鉄粉が付いています。

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指でなぞってみました。。

30ミクロン以下の摩耗粉はペーパーフィルターでは捕捉できないのでオイルの中を漂って2次摩耗、3次摩耗を誘発していたと思われます。

PECSを取り付ける前からエンジン/ミッション内部に排出されずに溜まっていたものをPECSが一気に捕捉したのでこんなになったんですね。

どこかに大量の摩耗粉の発生源があるはずです。

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フィルターケースには、PECSを通る前の汚れた摩耗粉だらけのカスがみえます。


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PECSのメッシュフィルターにもカスが付いてます。

オイルポンプの1mmのメッシュフィルターを通り越して、この0.6mmメッシュに引っ掛かってます。

おそらく、ブレーキバンドやクラッチ板の摩擦材ではないかと思われます。

これら、摩擦材も削り取られる際には金属粉が介在するのでメッシュが無くても、

磁力もしくは静電気によってPECSの磁石にくっつきます。

Image1 以上、PECS関連の説明は東京八王子から曽根でした。。




ここからは、再び九州です。

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オートマのフロントパネルを開けてサーボピストンの動き巾のチェックです。

左はリバースバンド  動き巾が大きく摩耗が進んでます。


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3速バンドも、リビルト後2万キロ走行としてはかなり摩耗してます。

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2速バンドも消耗してます。


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プライマリースラストは異常に広がってました。

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異常摩耗でスラストプレートがクランクシャフト側に入り込んでました。。

摩耗したクランクシャフトは再使用不可でした。。。


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バルブクリアランスは広めでしたが、

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4気筒ともに圧縮は正常値でした。


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オートマがエンジンと切り離されました。



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さてオートマの中で何が起こっているのか

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目視でもギヤドラムに傷が入っていてるのが見えます。

2速バンドが締め付けるところです。

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トップ&リバースと3速ドラム 

バンドが掛かってるところが陥没していました。

ここからも大量の鉄粉が発生してます。


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トップ&リバース、3速ドラム、ギヤキャリアの直径はすべて5インチ (127mm)でなくてはイケません。


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T&Rクラッチのところで、1mm陥没。

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3速ドラムは約0.5mm陥没。


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逆にギヤキャリアは 0.8mm拡大してしまってました!

過去にべベルギヤに何か異変が起きたことがあるギヤキャリアかもしれません。

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ベベルギヤのバックラッシュは非常に大事です。

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刃当たりが悪く削れてしまってる刃が見られます。

ギヤが壊れてしまう危険と、鉄粉を撒き散らしてしまう原因でもあります。

大きめの鉄粉が出てきます



ベベルギヤが剥がれてしまって前にも後ろにも動かなくなったケースが2年前に2件ありました。

TGS様 安心オートマへ、まずは分解点検編

YMD様 安心オートマへ 分解点検から完成テストまで







ブレーキバンドは・・・

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手前からリバースバンド 3速、2速バンド。

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2速バンドは金属部分が露出してました。 

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クラッチプレートはまだ溝が残ってました。


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3速ドラムの内側のブッシュも減ってるようです。

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0.2mmの消耗です。

排油分析で、鉄と銅が多かったのですが銅はここからも出てますね。


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ここのブッシュも段付き摩耗していました。

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指先の溝にもCリングが入っているはずですが無くなってました。

異常摩耗によりやせ細って滑落してしまったんでしょうか・・。

フォワードクラッチの前進側の油圧を保持するためのリングなので、

前進油圧が正常ではなかったのがわかります。






バルブボディ分解編です。

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セレクターバルブ


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ガバナーバルブ


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レギュレーターバルブ



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エンゲージメントコントロールバルブです。


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通常エンゲージメントバルブは60~62mmですが

このスプリングは49mmにカットされているようです。

トップ&リバース 3速ドラムを攻撃している原因はこのあたりにあるのでしょうか。


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スチールプレートのオイルホールは拡大されています。


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オイルホールのチェックバルブが取り外され8mmほどの穴を開けてあります。

このようにたいへん研究され随所に独自のアイデアが活かされていましたが

残念ながらすべてが良い結果を導いているのでないようです・・・・。









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オイルポンプのストレーナーメッシュ

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削れた摩擦材のカスで目詰まりしてました





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下側の親子メタル  メインメタルの方がややすり減ってます。   

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1番側の上のメインメタルはブロンズが出るところまで消耗していました。

排油分析で検出された銅はここからも出てたようです。


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カムメタルとバルブリフターもチェックしましたがこちらはダメージは少なかったです。

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カムも取り外してチェックしましたが問題なく再使用できます。



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親子メタルの交換は、安心オートマのお約束です。

オートマの油圧を確実に伝えるためにはオイルの通り道のこれらメタル部分のクリアランスは重要です。


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クランクは異常摩耗で再使用できなかったので、中古良品クランクを取付け

スラストクリアランスもしっかり詰めました。


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組み付けていきます。

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今回分解したオートマは残念ながら再使用できるパーツが少ないので

別に用意したドナー(部品取り)をベースに安心オートマを製作しました。

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半月シールはメタルインサートされた日本製を使います。

ここから漏れると、またエンジン降ろさなければならないですからしっかりとシーリングします。


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合体です。



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ヘッドからのオイル漏れも多かったのでヘッドを外したついでにOHしてあります。

それだけでもエンジンは快調になって嬉しいですね。。



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バルブクリアランスは0.3~0.35で揃えます。

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PECSは分解せずに磁石に付いた摩耗粉をふき取るように清掃します。

このくらいで十分です。。

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サーモスタットはインジェクション車は88℃の指定の新品に交換。

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補器を取付けテスト車両に積み込みます。


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工場内でエンジンかけてエンジンの調子、そしてオートマ油圧を測定して問題なし。。




そして、実走テストで約30㎞走ります。

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変速の具合、ショック、エンジンの具合・・・・

安心オートマとして出荷できるか、厳しくチェックしながらの走行です。

いい感じです。



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戻ってからオートマに掛かる温間油圧の測定

前進 6.7kg  OKですね。


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リバース油圧  12kg  しっかり掛かってますね。


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4気筒バランスよく燃焼してました。  エンジンもオートマも快調!!

よし、OKだ。



握手1

今回もいいオートマができました。

MGM様、安心して乗り続けてください。。





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