曽根です。
ガタガタっていう振動を感じた時から急にリバースが滑るようになって、
自宅の駐車場にバックで入ったところで完全に動かなくなっちゃいました・・。
というISD様のMINIは 98年式ポールスミス オドメーターは65000㎞です。
以前から安心オートマが気になっていたし、やるんだったらヘッドもエンジンも全部リフレッシュしたい・・との意向から今回はフルオーバーホールのメニューです。
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
ココからは、九州唐津 岩崎さんからの写真からレポートします。
診察台に乗せられたエンジンミッション、まずは外観からのチェックから始まります。
サーモハウジングのボルトはキャメルでラジエターと切り離す際にネジ切れてしまいました
すっかり錆び色のサーモスタット。。 これだけでも水路の状態が予想できますねぇ。
キャメルでの水路洗浄は3年前にやったきり。。
車検は他のショップだったから水路洗浄やってないかもね・・。
お疲れさんのボルト・・・。
取り外されたウォーターポンプとコアプラグ
かなり腐食が進んでてちょっと突いただけで穴が開いてしまうほどの危機一髪状態でした。
燃焼状態は悪くないですね。
バルブの密着状態も良好でした。
ドレンボルトにはキャメルでエンジン降ろした時と同様、異常に大量の摩耗粉が付着してます。
今までのオイル交換でもやや多めの摩耗粉が出てましたが今回リバースが滑る症状の前後で一気に増量してしまったようです。
磁力型オイルフィルターPECSケース内のメッシュフィルターにも摩耗粉が引っ掛かってました。
そして、PECS本体の磁石には・・・・
これは過去最高レベルの摩耗粉の量ですよ。
コレが従来の紙フィルターだったら間違いなく目詰まりしてしまい、金属まみれのオイルがリリーフバルブを抜けてオートマやエンジンに回ってしまいます。
PECSはこのような状態になってもオイルの通路は確保されてるので通過抵抗は変わることなく摩耗粉だけを取り除いてくれてました。
PECSはいい仕事してくれてますね。
PECSの分解掃除。。。
マグネットの組み付けは反発しあう側を向い合わせます。
今回は特に大量の鉄粉が付着してたので完全分解による清掃をしましたが、
一般のユーザー様の通常メンテの場合は表面の鉄粉をふき取る程度でOKです。
フィルターケース内に、摩擦材と思われる摩耗粉もありました。
そしてオートマのフロントパネルを開いてみると・・・・!!
一番左側がリバースですが、
サーボピストンが飛び出してしまって元に戻れなくなった状態でロックされてしまってました。
ブレーキバンドを締めつけた状態のままでロックされてるわけです。
ISDさんが『ガタガタ』っていう振動を感じたたときに起こったのでしょうか。。
ブレーキかけたまま走行し続ければ・・・・・・・
摩擦材が無くなって鉄が削れてしまうでしょう。
通常はこのようになってます。
ブレーキバンドの摩擦材が消耗してきてもこの程度のストロークで止まるはずのところです。
3速バンドの消耗はそれほど多くなさそうです。
2速も問題ない状態ですね。
とはいっても、当然新しいバンドに交換しますからご安心を。。
オイルポンプは当社規定の規定0.1mm以下を大幅に超えて0.15mmのシックネスがスルスルと入る状態。。
油圧の不足も原因のひとつでしょう。
現在は新品のポンプが手に入らないので正常なクリアランスの中古良品をチョイスします。
ポンプのバックプレートのブッシュも、
消耗してました。
プライマリースラストの隙間も大きくなってます。
組み付け時に追い込んでおきます。
ISD様はフルオーバーホールなのでヘッドも分解します
オイル下がりもあったようですね。
ヘッドガスケットの状態です。 密着がよくないです。
過去に何かあったのでしょうか・・
シリンダーブロックの上面の面が出てません。
3/100mmのゲージが入ってしまいましたので、これは内燃機屋に依頼して面研してもらうことにしました。
結果、5/100mm研磨できれいな面を出すことができました
7万キロ前後は実走行でしょうか。
ここでエンジンとオートマを切り離します。
取り出したギヤドラムは予想どおり激しく摩耗してました。
傷は深く溝には金属の塊が引っ掛かってるほど。
先ほど見た飛び出してしまって戻らなくなってたサーボピストンの仕業です・・。
手前のブレーキバンドがリバース。。
ほとんど摩擦材が剥がれ落ちてしまってました。
サーボピストンのシールも切れてしまってました。
このシール切れが原因でブレーキバンドを締めつけられなくなってバックできなくなる・・・というパターンだったらドラムをこれほど傷つけずに再使用できたのに。。。
今回の『サーボピストンが飛び出してロック』は珍しいケースです。
オイルポンプストレーナーには、一気に剥がれ落ちた摩擦材がそのまま引っ掛かってました。
細かい摩耗粉はそれまで徐々に剥がれ落ちたもので、今回はペロッとめくれて取れていしまったんでしょう。
クラッチ板は両方ともに摩耗が進んでました。
PECSを取り付ける以前からオイルの中に摩耗粉が多い状態だったのも各部の摩耗を増やす原因でしょう。
3速ドラムのブッシュの摩耗は・・
大きく摩耗してました。
コレは打ち替えします。
クランクのスラストは
良好でした。
親子メタルはすべて交換しますが、状態は悪くありませんでした。
今回はフルオーバーホールですのでピストンもカムも抜きます。
カムに叩かれ続けてきたバルブリフター。
虫食いのように摩耗するのが特徴ですが8個がすべて同じ状態ではなくクリアランスと潤滑状態で
ご覧のようにキズが多いもの少ないものがあります。
もちろん、ここまで分解すればすべて交換しておきます。
取り出されて寝かされてるピストン。
ピストンリングはすべて固着状態でした。
圧縮抜けとオイル上がりの予備軍です。
いつ症状が悪化してもおかしくないほどの状態でしたね。
シリンダーボアの消耗は
1.5/100mm程度でしたのでホーニングだけで再使用できます。
シリンダーブロックとヘッドが内燃機屋のお泊りからもどってきました。
シリンダー上面研磨とホーニングを終えて仕上がってきました。
ヘッドも1.2mm面研でトルクアップを狙います。
更に美しくしましょう。。。
いつものブルーマイカ塗装。。
丁寧に組み付けていきます。
バルブフェイスはピカピカで気持ちいいですねぇ。
擦り合わせもバッチリやってあります。
ブロック側の組み付け作業
手でスルスルと回るのを確認します。
スルスル・・・
スルスルと・・・ いい感じです。
また何十年もシリンダーの中でコツコツと働き続けるピストン&コンロッド。。
よろしくお願いしますね。
ピストンが組み込まれました。
安心オートマも最終組み付けを終わり
リフレッシュしたエンジンと安心オートマが合体。。
チェーンテンショナーも交換
今回同梱させていただいたパーツ。。。
中回転以降の振動を低減して滑らかにエンジンが回るようになるハーモニックバランサーは
エンジンが降りてる時なら部品代だけで取り付けられるのでチャンスなのですよ
と、オイル漏れ対策のキャメルオリジナルキックダウンスイッチ。。
もう少しで完成・・
今回は大量の鉄粉が出ており清掃できないコンバーターの中にも溜まってると思われますので
コンバーターも交換させていただきました。
*鉄粉が入ったコンバーターをそのまま使用してもPECSが付いてるMINIは、バルブボディやエンジンに回る前に浄化してくれるので、2~3回のオイル交換で鉄粉は出なくなります。
組み付け完了したヘッドもブロックと合体です。
規定のバルブクリアランスに調整。
インジェクション用の88℃のサーモスタットと
ステンレスのハウジングボルトでサーモも組み付けます。
キックダウンレバーの長さ調整。。
補機を組み付けてテスト準備。
テスト車両に積み込みエンジンを掛けて、冷間油圧チェックの後、
実際に走らせてエンジン、オートマ、すべてのチェックを行います。
自動変速、マニュアル変速OK。
こうして30㎞以上におよぶ実走テストやることが信頼されるオートマづくりに繋がります。
最後に完全温間での油圧チェック
前進7.2kg 十分な油圧です。
リバース油圧も 13kgと十分な油圧確保。。 良好ですね。
オイル漏れをチェックしてからオイルを抜いて
梱包され、キャメルへ運ばれます。
今回も良い安心オートマができました。
フルオーバーホールしたエンジンと併せて
パワフル&スムーズなシフトを堪能してください。
ISD様の安心オートマ載せ替えの本編に戻ります・・・・・
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ガタガタっていう振動を感じた時から急にリバースが滑るようになって、
自宅の駐車場にバックで入ったところで完全に動かなくなっちゃいました・・。
というISD様のMINIは 98年式ポールスミス オドメーターは65000㎞です。
以前から安心オートマが気になっていたし、やるんだったらヘッドもエンジンも全部リフレッシュしたい・・との意向から今回はフルオーバーホールのメニューです。
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
ココからは、九州唐津 岩崎さんからの写真からレポートします。
診察台に乗せられたエンジンミッション、まずは外観からのチェックから始まります。
サーモハウジングのボルトはキャメルでラジエターと切り離す際にネジ切れてしまいました
すっかり錆び色のサーモスタット。。 これだけでも水路の状態が予想できますねぇ。
キャメルでの水路洗浄は3年前にやったきり。。
車検は他のショップだったから水路洗浄やってないかもね・・。
お疲れさんのボルト・・・。
取り外されたウォーターポンプとコアプラグ
かなり腐食が進んでてちょっと突いただけで穴が開いてしまうほどの危機一髪状態でした。
燃焼状態は悪くないですね。
バルブの密着状態も良好でした。
ドレンボルトにはキャメルでエンジン降ろした時と同様、異常に大量の摩耗粉が付着してます。
今までのオイル交換でもやや多めの摩耗粉が出てましたが今回リバースが滑る症状の前後で一気に増量してしまったようです。
磁力型オイルフィルターPECSケース内のメッシュフィルターにも摩耗粉が引っ掛かってました。
そして、PECS本体の磁石には・・・・
これは過去最高レベルの摩耗粉の量ですよ。
コレが従来の紙フィルターだったら間違いなく目詰まりしてしまい、金属まみれのオイルがリリーフバルブを抜けてオートマやエンジンに回ってしまいます。
PECSはこのような状態になってもオイルの通路は確保されてるので通過抵抗は変わることなく摩耗粉だけを取り除いてくれてました。
PECSはいい仕事してくれてますね。
PECSの分解掃除。。。
マグネットの組み付けは反発しあう側を向い合わせます。
今回は特に大量の鉄粉が付着してたので完全分解による清掃をしましたが、
一般のユーザー様の通常メンテの場合は表面の鉄粉をふき取る程度でOKです。
フィルターケース内に、摩擦材と思われる摩耗粉もありました。
そしてオートマのフロントパネルを開いてみると・・・・!!
一番左側がリバースですが、
サーボピストンが飛び出してしまって元に戻れなくなった状態でロックされてしまってました。
ブレーキバンドを締めつけた状態のままでロックされてるわけです。
ISDさんが『ガタガタ』っていう振動を感じたたときに起こったのでしょうか。。
ブレーキかけたまま走行し続ければ・・・・・・・
摩擦材が無くなって鉄が削れてしまうでしょう。
通常はこのようになってます。
ブレーキバンドの摩擦材が消耗してきてもこの程度のストロークで止まるはずのところです。
3速バンドの消耗はそれほど多くなさそうです。
2速も問題ない状態ですね。
とはいっても、当然新しいバンドに交換しますからご安心を。。
オイルポンプは当社規定の規定0.1mm以下を大幅に超えて0.15mmのシックネスがスルスルと入る状態。。
油圧の不足も原因のひとつでしょう。
現在は新品のポンプが手に入らないので正常なクリアランスの中古良品をチョイスします。
ポンプのバックプレートのブッシュも、
消耗してました。
プライマリースラストの隙間も大きくなってます。
組み付け時に追い込んでおきます。
ISD様はフルオーバーホールなのでヘッドも分解します
オイル下がりもあったようですね。
ヘッドガスケットの状態です。 密着がよくないです。
過去に何かあったのでしょうか・・
シリンダーブロックの上面の面が出てません。
3/100mmのゲージが入ってしまいましたので、これは内燃機屋に依頼して面研してもらうことにしました。
結果、5/100mm研磨できれいな面を出すことができました
7万キロ前後は実走行でしょうか。
ここでエンジンとオートマを切り離します。
取り出したギヤドラムは予想どおり激しく摩耗してました。
傷は深く溝には金属の塊が引っ掛かってるほど。
先ほど見た飛び出してしまって戻らなくなってたサーボピストンの仕業です・・。
手前のブレーキバンドがリバース。。
ほとんど摩擦材が剥がれ落ちてしまってました。
サーボピストンのシールも切れてしまってました。
このシール切れが原因でブレーキバンドを締めつけられなくなってバックできなくなる・・・というパターンだったらドラムをこれほど傷つけずに再使用できたのに。。。
今回の『サーボピストンが飛び出してロック』は珍しいケースです。
オイルポンプストレーナーには、一気に剥がれ落ちた摩擦材がそのまま引っ掛かってました。
細かい摩耗粉はそれまで徐々に剥がれ落ちたもので、今回はペロッとめくれて取れていしまったんでしょう。
クラッチ板は両方ともに摩耗が進んでました。
PECSを取り付ける以前からオイルの中に摩耗粉が多い状態だったのも各部の摩耗を増やす原因でしょう。
3速ドラムのブッシュの摩耗は・・
大きく摩耗してました。
コレは打ち替えします。
クランクのスラストは
良好でした。
親子メタルはすべて交換しますが、状態は悪くありませんでした。
今回はフルオーバーホールですのでピストンもカムも抜きます。
カムに叩かれ続けてきたバルブリフター。
虫食いのように摩耗するのが特徴ですが8個がすべて同じ状態ではなくクリアランスと潤滑状態で
ご覧のようにキズが多いもの少ないものがあります。
もちろん、ここまで分解すればすべて交換しておきます。
取り出されて寝かされてるピストン。
ピストンリングはすべて固着状態でした。
圧縮抜けとオイル上がりの予備軍です。
いつ症状が悪化してもおかしくないほどの状態でしたね。
シリンダーボアの消耗は
1.5/100mm程度でしたのでホーニングだけで再使用できます。
シリンダーブロックとヘッドが内燃機屋のお泊りからもどってきました。
シリンダー上面研磨とホーニングを終えて仕上がってきました。
ヘッドも1.2mm面研でトルクアップを狙います。
更に美しくしましょう。。。
いつものブルーマイカ塗装。。
丁寧に組み付けていきます。
バルブフェイスはピカピカで気持ちいいですねぇ。
擦り合わせもバッチリやってあります。
ブロック側の組み付け作業
手でスルスルと回るのを確認します。
スルスル・・・
スルスルと・・・ いい感じです。
また何十年もシリンダーの中でコツコツと働き続けるピストン&コンロッド。。
よろしくお願いしますね。
ピストンが組み込まれました。
安心オートマも最終組み付けを終わり
リフレッシュしたエンジンと安心オートマが合体。。
チェーンテンショナーも交換
今回同梱させていただいたパーツ。。。
中回転以降の振動を低減して滑らかにエンジンが回るようになるハーモニックバランサーは
エンジンが降りてる時なら部品代だけで取り付けられるのでチャンスなのですよ
と、オイル漏れ対策のキャメルオリジナルキックダウンスイッチ。。
もう少しで完成・・
今回は大量の鉄粉が出ており清掃できないコンバーターの中にも溜まってると思われますので
コンバーターも交換させていただきました。
*鉄粉が入ったコンバーターをそのまま使用してもPECSが付いてるMINIは、バルブボディやエンジンに回る前に浄化してくれるので、2~3回のオイル交換で鉄粉は出なくなります。
組み付け完了したヘッドもブロックと合体です。
規定のバルブクリアランスに調整。
インジェクション用の88℃のサーモスタットと
ステンレスのハウジングボルトでサーモも組み付けます。
キックダウンレバーの長さ調整。。
補機を組み付けてテスト準備。
テスト車両に積み込みエンジンを掛けて、冷間油圧チェックの後、
実際に走らせてエンジン、オートマ、すべてのチェックを行います。
自動変速、マニュアル変速OK。
こうして30㎞以上におよぶ実走テストやることが信頼されるオートマづくりに繋がります。
最後に完全温間での油圧チェック
前進7.2kg 十分な油圧です。
リバース油圧も 13kgと十分な油圧確保。。 良好ですね。
オイル漏れをチェックしてからオイルを抜いて
梱包され、キャメルへ運ばれます。
今回も良い安心オートマができました。
フルオーバーホールしたエンジンと併せて
パワフル&スムーズなシフトを堪能してください。
ISD様の安心オートマ載せ替えの本編に戻ります・・・・・
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