曽根です。


MCZ様のMINIは奥様が独身時代からお乗りのワンオーナーの1000ccオートマ

もちろんこの先もこのMINIをずーっと乗りつづけます。

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1990年式ワンオーナーで走行123,000㎞のMCZ様のMINI。

オートマの症状はタイムラグは大きいもののリバースを含めてまだ滑りはありませんが、

発進や変速時に振動するジャダーが出てます。

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そして今回思い切って安心オートマにしようと思ったのはオイル漏れもありました。

特にコンバーター側からは多いですね。

御多分にもれずキックダウンスイッチからも漏れてます。

こうしてオイル漏れも一気に直るのも安心オートマにするきっかけですね。

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ラジエターやウォーターポンプ、ラジエターホースなども部品代だけで交換できちゃうチャンスでもあります。

もちろん、MCZ様も水廻りはこの機会に一気にリフレッシュ作戦です。


MCZ様のMINIを安心オートマにする、お預かりから納車までの本編は こちらから・・・・・・・



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ここからは、九州からの作業報告です。。

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作業台に乗せられ、まずは状態確認から・・・


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報告通りキックダウンスイッチからのオイル漏れは多いですね

この部品は車上では真正面から見ることはできず左のドライブシャフトの隙間から僅かに見えるだけです。

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タイミングカバーからの漏れもありますね。

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ロープレッシャーバルブに液体ガスケットが塗ってありましたが

残念ながらオイル漏れはココからではありません・・・・

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オイル漏れの多いコンバーター側を分解してオイル漏れ箇所をチェックします

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やはりコンバーターシールからは漏れてます。

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大きい方のブランクキャップかも漏れてます

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小さい方のブランクキャップからも・・・

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小さなピンホールからも少し漏れがあるようですね。

以上コンバーター側からの漏れは4か所でした。



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オイルポンプもクリアランスが大きく再使用不可なので中古良品と交換します

安心オートマでの使用基準は10/100mm未満 (整備マニュアルでは15/100未満となっています)


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オイルポンプを駆動しているカムとの噛みあわせ部も良くなくカジッてます。

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こちらはカム側。  

カムも後ほど中古良品と交換します

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当時はオイルポンプのパッキンはマニュアル車と同じものと使ってて

膨らみも切れもありません。 

安心オートマでは1300ccでもこのマニュアル車用のパッキンを使用することにしています。

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プライマリースラストも大きく拡大してしまってますので調整して組み付けします。


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ウォーターポンプとコアプラグの状態からみても水路の状態はあまり良くなかったのがわかりますが、

26年間という年月を考えればしょうがないですね。。。

お疲れさまです。

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圧縮測定では 1~3番までは問題なし

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4番だけやや低いです。 

これは今後の整備予定に入れておいた方が良いですね。

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チェーンテンショナーの減り具合からも10万キロオーバーくらいというのがわかります。

ワンオーナー123,000㎞・・・納得です。



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タイミングカバー側のフロントシールも弾力はほとんどなくなく26年間よく頑張ってくれましたが

さすがに交代時期ですね。。


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デフサイドシールも固くなってました。。。 

安心オートマはこれらのシールも無条件で交換するので

オイル漏れも直ってしまうのです!!






オートマのフロントパネルを開けて外側からバンドとサーボピストンのチェック。。

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3速ブレーキバンドのレバーに遊びが見られます。






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2速も同様に遊びがありました。





こちらはリバースのブレーキレバー

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大きく動き、ブレーキバンドが消耗しているのがわかります。


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3速もやや消耗してますね

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2速バンドは消耗しています。

安心オートマで組み付け直後は、3、2速ともに1mmの動き程度に調整されるところです。


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さて、エンジンとミッションを切り離し、オートマ分解です。


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ドラムが出てきました。。

左からリバース、3速、2速のドラムですが、3,2速は縦に大きく段差ができてます。

これは当時の1000cc用のブレーキバンドは最初から縦溝があったのと、その材質が強すぎるために

このような状態になってしまいます。

残念がらドラムは再使用できないのでこれも中古良品に交換させていただきます。

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手前からリバース、3速、2速のブレーキバンドです。

真ん中の3速バンドは、最初からある縦溝もすり減ってきてその分ドラムの段差も少なく見えたのですね。

安心オートマでは1000ccも、1300cc用と同じ溝のないブレーキバンドを使用します。


ブレーキバンド

安心オートマで使用するオリジナルのブレーキバンドとクラッチ板






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ブレーキバンドを動かすサーボピストンのシールもまったく弾力が無くなってます。

このシールはしっかり油圧を受け止めてブレーキバンドを締めつける為の重要なところです。

安心オートマでは日本製で耐久性の高いものを使用してますので後ほど説明します。


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オイルストレーナーにはブレーキバンドやクラッチ板の摩擦材のカスが溜まってました。



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クラッチ板も消耗してまして、あと1歩のところでした。。

良いタイミングでのオーバーホールでしたね。

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各ギヤへのオイルの流れをコントロールするためのOリングは

カチカチに硬くなってすでに丸ではなく四角の断面になってました。

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まったく弾力はなくカチコチ。。。

このOリングは閉じ込められてるので割れてもどこかに行ってしまうことはありませんが

油圧が漏れると変速時のギヤ抜けなどの症状がでます。

安心オートマでは耐熱性の高いフッ素系のシールを使用します。


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オートマの重要臓物。。。 これから混浴のお風呂でキレイキレイに・・





エンジン側の分解です。。

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メタルの減り方は問題ないですね。

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オートマ車では消耗しやすい1番側の上の親メタルもブロンズが出ることなく正常摩耗しておりました。


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先ほどオイルポンプの分解の際に説明した駆動溝が欠けてしまっているカム。。


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新旧交代の儀。。    


中古品ですが・・・。

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溝の部分はしっかりしています。



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カムを交換するところまでバラせば当然バルブリフターだって交換したくなります。

ごらん用にカムに叩かれて傷だらけになってるリフターもいます。。

お疲れさまでした。

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親子メタル交換は安心オートマのお約束です。

エンジンとミッションがオイルを共用しているMINIは、

エンジン側のオイルの通り道であるメタルクリアランスの調整は重要な油圧管理なのです。


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エンジンは組み上げておきます。




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新しく交換される、ブレーキバンドやクラッチ板、シール類。。

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1000ccのフォワードクラッチは2枚使用です。


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トップ&リバースは1300cc用を使用したのでクラッチ板は3枚使用します。


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デフサイドのスペーサーブロンズ

こうして割れてその後千切れてしまってるのは、オートマ、マニュアル問わず多いですね。


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デフのピニオンピンに段付きがあったので交換します。



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歯車に割れや欠けがないか念入りにチェックします。






バルブボディ内部チェックです。

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変速のための油圧をコントロールする、レギュレーターバルブやエンゲージメントバルブの

スプリング長は1300cc用より短く、油圧が1300ccより低い理由でもあります。

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レギュレーターバルブの横方向のオイル穴に詰まりがないかチェック


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バルブボディも完全分解して点検します。


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日本製オリジナルシールが組み込まれたサーボピストン。

外径の変更とリップの立ち幅を大きく取った品になります

ワークスATのレースでの過激なテストからフィードバックされているパーツでもあります。




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各パーツをオートマケースに組み込む準備中です。










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ファードクラッチを固定しガバナーエンドを挿入します




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ギヤキャリアAssyはこのように挿入されます。


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安心オートマ出来上がりです。。。



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FプレートがATケースと干渉していた形跡がありました。

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このような状態で干渉してました。

エンジン側がATケースに押されていた状態です
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クリアランスの確保をして組み付けます。

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この作業を行わないとオイル漏れの原因となります


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新品のチェーンテンショナー

これから15万キロくらい頑張ってもらいます。

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既に完成していたエンジンと合体。


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コンバーターシール交換

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キャメルオリジナル磁力オイルフィルターPECSの清掃。。


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サーモスタット交換

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テスト運転ができるように準備します。

1000ccですが、1300インジェクションシステムで動かしてテストするので

機械式燃料ポンプは蓋をしました。

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1300cc用の補機を付けてテスト用車両に積み込みます。

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ECUやインジェクターが付けられた1000ccエンジン。。。

冷間から温間にかけてオートマへの油圧の掛かり方をチェックします。


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そして、約30㎞におよぶ実走テストで

タイムラグ、変速の状態をチェックしました。

ここがほかのリビルトオートマとは大きく異なるところです。

ご自身のエンジンで実際に走って動かすというテストを経て出荷される安心オートマが

高く評価される所以でもあります。



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今回も良い安心オートマができました。

スムーズな変速で安心してお乗りいただけます。

では、MCZ様の安心オートマ換装の本編記事に戻ります・・・・






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