曽根です。


ワークスATのエンジン油圧低下はクランクのメインメタルが流れてしまったことが原因でした。



一番損傷の大きかったメタルは赤丸で囲んだ真ん中のメタル。

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MINIは4気筒なのに3つのベアリングで支えてるので真ん中のベアリングに掛かる負担は

下の5ベアリングエンジンに比べれば2倍近いかも


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こういう構造的な弱点はあるものの、

ノーマル排気量(1271cc)  ハイカム(SW5)  ノーマルバルブ使用の加工ヘッド

ビッグスロットル+ハイフローインジェクターボディ、ハイリフトロッカーくらい。

他のハイチューンMINIだって3ベアリングなんだから、そんなのは理由にならないですね。





原因に心当たりはあります。。


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これは2015年6月のTBCCですが、初めてオイルクーラーをつけて臨んだのに油温125℃。。

コンバーターからも発熱するオートマはマニュアル車に比べてかなり油温高いです。。

その差は30~40℃にもなるんなじゃいでしょうか。

でも油温がこの程度高いだけでメタルがダメになっちゃうってことはないでしょう。




オイルクーラーを取り付ける前は・・・

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140℃まで上がってしまったこともありました。:

これは2015年5月の筑波のトラックディのこと。。



2015年に使っていたオイルはワコーズタフツーリング20W40やトリプルR15W50 という

きわめてMINIにとって常識的な粘度のオイルでしたね(笑)

そして、高温にさらされたオイルの分析結果も問題なかったでしたねー。





そして、その後2015年10月に1回目の

エンジン&オートマ分解点検をしましたが、その時も安心オートマは全く問題なく

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メインメタルも問題ありませんでした。






2017年は何が違ってかというと・・・・・

低粘度レーシングオイルで油温上昇を抑える作戦を始めました。

3月から使ったのは CDXの100%エステルのレーシングオイル10W30

アッシュのFSEとほぼ同製品です。

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油温は50番オイルと比較すると数℃~10℃近く下がることから

オートマからの発熱を抑えるのにどこまで低粘度でイケるか試しました。

これでサーキット4回走りました。 






8月の富士スピードウェイでの32fesはワコーズ4CRの 0W30をチョイス

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0W30 っていう響きは省エネオイルっぽいですがこれはレーシングオイルです。

10W30と比較して粘度指数は高く、100℃以上の高温側での粘度が高いのは0W30の方でして、

仮に同銘柄だったら、10W30より0W30の方が上位グレードということになります。


2017 32Fes決勝油温 124℃

32FESでは決勝でMAX油温124℃でした。 

やっぱり富士は過酷でしたね。




そして、10月のオイル交換は再びCDX 100%エステル10W30に交換。。

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そして、このオイルで SBoMの3戦、4戦  そして最後のTBCCとレースに3戦。

11月にはミニディで浜名湖までも走りました。



Image1 
振り返ってみると、メタルが流れた2017年は低粘度オイルでレースで3~4回づつ使ったことになり、燃料希釈で粘度低下したとすれば最後にはさらに低粘度になっていたはずです。

平均油温が高かった2015~2016年は40番~50番オイルをレース2回、多くても3回で交換してたので粘度の違いはかなり大きかったです。

このことから、油温は高くても粘度を維持できていればメタルは守れそうです。

ただし、オートマは低粘度の方が油温は抑えられることはわかっているので、どのくらいの粘度があれば大丈夫なのか・・を検討してみたいと思います。




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潤滑についてお勉強しちゃおう。。

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メインメタルの中にクランクがこう入って・・・・・


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クランクが回転すると周りのオイルも回転して狭いところに入り込もうとする力によって、

クランク軸が浮き上がって

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こんな感じで、オイルの中で浮くように潤滑される

この浮かす力はオイル粘度が高い方が強いけど、粘度が高すぎると逆に回転抵抗になってしまう・・らしい。

回転スピードが上がると、この浮き上がらせる油膜は更に厚くなって抵抗が増えて発熱するので

ぎりぎり厚すぎない油膜が良い・・・とのこと。


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オイル粘度が低すぎるとクランク軸を浮き上がらせる力が弱くて金属同士が接触してメタルが逝っちゃう・・



前にワコーズ技術部での研修で教わったストライベック曲線思い出すなぁ。。


ストライベック曲線1 
ストライベック曲線 ↑ 兵神装備さんのHPからお借りしました)

速度が上がると重い車も持ち上げちゃうハイドロプレーニング現象と同じで、

潤滑油膜も回転が速くなるとどんどん厚くなるので抵抗が少ないところは上のグラフだと流体潤滑と混合潤滑の堺目あたり。

だから、粘度は高けりゃいいってもんじゃなく、安全な範囲でできるだけ粘度は低い方がいいってことになります。

※横軸の単位は、分母が『荷重』なのでパワーが上がればその分粘度が必要ってことになります。


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ワコーズ4CR 0W30

ASH FSE 5W30

ASH PSE 10W40

ワコーズ 4CR 15W50 

それそれの40℃と100℃の動粘度を直線で結んで温度によっての動粘度を比べてみました。

横軸が温度  縦軸が粘度です。

2015年の50番オイルで125℃~140℃の粘度は、一番上の青い線(4CR 15W50)を参考にすると、

140℃は欄外に出ちゃうけど、粘度はだいたい7~10㎟/sで大丈夫だったことになります。

2017年の30番オイルも 115℃~120℃の粘度だと同じく7~10㎟/sくらい。。

2015年は大丈夫だったことから、7~10㎟/sはギリギリかもしれないけど大丈夫な粘度ってことになります。





いや、2015年11月にヘッドチューンしてました。 パワーが上がった分

上のストライベック曲線のグラフで、左側の混合潤滑に近づいてしまったことになり

必要粘度が上がっていたことになりました・・




2015年前半までは  ビッグスロットル + ハイカム(SW5)  ノーマルクーパーよりはハイパワーとして70馬力くらい

2016年からヘッドチューンして 85馬力くらいになったのかなぁ・・ ←測ってないから想像ですみません。希望的願望値です。


70馬力で7~10㎟/s → 85馬力だと『8.6~12.2㎟/s』 が2015年のデータを基にした安全粘度ってことになります。

上のオイルごとの動粘度グラフは新油のデータなので、サーキット走行するたびに燃料希釈や熱劣化すれば

2017年に30番オイルを4回使ったときは5㎟/s以下になった可能性もあり、

上のストライベック曲線グラフの混合潤滑領域にはいって摩擦が急激に上がりメタルが流れたと考えて間違えなさそうです。



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仮に大型のオイルクーラーで冷やして油温を80〜100度程度に抑えることができたとしても

30番オイルは2回が限度かなぁ・・



従来どおりの油温100〜120℃だったら

30番オイルなら毎回交換。 40番オイルで1〜2回まで  50番オイルでも硬すぎることはなさそうです。


油温は10℃上がるごとに寿命は半減と言われてるので、ワークスATの課題はまず油温を下げることには変わりないですなぁ。。


今回の考察はあくまでもワークスATが使ってきたオイルでのケースなので、単に粘度だけを合わせればどのオイルでもイイって訳には行かないと思います。

まだまだワークスATのオイルチャレンジは続きます。


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