曽根です。


去年5月 走行中に大きな異音はオートマじゃなくてハブベアリングだったんで

いったん先送りにしていた安心オートマは

今回、車検のタイミングで実行することにしたNKI様。


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普段のオイル交換はご自身でキチッとやってます。


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97年式 走行93000km

タイムラグは長く、前進側に入れると軽くショックがあります。

2→3速で 変速のタイムラグで回転が上がるときがあります。

3→4速は 一瞬抜けるように回転が上がってから入ります。

バックのストールテストは大丈夫でした。。

『なんとなく調子悪いけどまだ走れる』 という状態です。

実は現在走ってるMINIの80%以上がこのくらいの状態ではないでしょうか・・・・








NKI様のオートマを分解点検して安心オートマになるまでをご報告します。

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診察台にのせられ、では分解開始です。

PECSは去年5月に初キャメルのときに取り付けてます。

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サーモスタットは茶色の錆色でした。

初キャメルで水路洗浄したときはきれいな排水でしたから

過去からの錆でしょう。

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コアプラグの内側の錆も同様です。


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ドレンボルトに付いてる鉄粉は少ないですが、純正と比べて磁石の表面積が小さいタイプに交換されてます。

ドレンボルトの磁石はオイルに混じってる鉄粉の量を測るためのセンサーの役目でしかなく

すべての鉄粉を付着させてきれいにすることは不可能です。

強力磁力よりは、磁石の表面積が大きい標準タイプのドレンボルトの方がオイル内の鉄粉量を見るには適してると思います。


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プラグを見る限り、今までの燃焼の状態は良くないです。

後ほど圧縮も点検します。


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ブローバイセパレーターは詰まりは清掃しておきます


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更に分解すすめます。




オートマのフロントパネルを開けてブレーキバンドの消耗度チェック。。

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リバースバンドは消耗してます。

安心オートマの出荷時は、ここのストロークは5mmほどになります。


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3速バンドもやや消耗が進んでるようですね。

3速、2速バンドともに、安心オートマ出荷時は約1mmストロークです。

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2速バンドの消耗は比較的少なめでした。


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オイルポンプのクリアランスは大きすぎるのでリメイク品と交換になります。

サービスマニュアルではここのクリアランスは 10/100mm以下となってますが

安心オートマでは 7/100mm以下としています。

97年式以降モデルは新車当時から、この規定値以上のクリアランスのものが多く

油圧不足がバックが滑り始める原因のひとつと考えられます。

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オイルポンプのブッシュは打ち替えです。


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プライマリースラストはかなり広がってるので

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特注のワンオフ品で、

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クリアランスは追い込みました。


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バルブクリアランス測定。。

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0.35mmが規定値なので、かなり広がってました。

ガチャガチャとタペットが聞こえてくるようです・・・。

規定値に調整しておきました。

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圧縮エアーをプラグ孔から入れて漏れチェックしましたが

圧縮は4つとも正常です。

入庫時のプラグの燃焼不良は、エンジン本体ではなく車両側の問題かと思われますので

積み込みの際に再点検します。


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チェーンテンショナーの消耗は93000kmにしては少なめ。。

一度に走行する距離が長く、3,4速での走行距離も長いのでしょう。

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エンジンブロックとオートマを切り離します。

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ギヤドラムはやや変色してますが状態は良く再使用できます。


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取り出したブレーキバンド

奥から、2速、3速、リバース と並べましたが

手前のリバースはスリッドが無くなるほど消耗してもうちょっとでベースの金属が出てくるところでした・・・


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フォワードクラッチはかすかにスリッドの跡が残ってましたが、

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トップ&リバース側の湿式多板クラッチはまったくスリッドがなくなってツルツル状態。

これはまさにギリギリでした。。


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トップ&リバースのクラッチの方が擦り減ってた原因は、↑のブッシュにできた深い溝からの

油圧逃げによる圧着不足と思われます。

ブッシュ交換いたします。


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3速ドラム軸のブッシュも

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摩耗してるので交換です。

タイムラグやシフトフィーリングに影響のある部分です。



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ギヤキャリアのブッシュも上下とも交換します。

ガタなく真円で回転させることが重要です。



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エンジン側を下から覗いたところ。。

分解点検していきます。


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取り外したメインメタル、コンロッドメタル 

赤丸で囲んだのは、コンバーターと反対に位置する前側のメインメタルの上側ですが

一部ブロンズが出るほど消耗しています。


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オートマ車に良く見られる消耗です。

メタルのクリアランスが増えるとそこから油圧が逃げてオートマ内部で必要な油圧も低下してしまいます。

安心オートマは親子メタルをすべて新品に交換しています。


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エンジンとオートマが一心同体のMINIは油圧低下の原因は共同責任です。 

オイルの通路であるこれらのメタルクリアランスを適正化することも

タイムラグのない安心オートマのために重要なポイントです。


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キチッと規定トルクで締めて、クランクがするする回転することを確認します。

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パーキングロックの確認を行ないブロックに組みつけていきます

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安心オートマ用の自家製ガスケットセット。。

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エンジンと安心オートマ 合体!

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タイミングプレートとミッションケースが干渉してないかチェック

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チェーンテンショナー交換

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オイルポンプは新品供給がなく数年前までは中古良品を再使用していましたが

現在はリメイクすることで新品より精度の高いオイルポンプを供給できるようになりました。


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摩耗粉の量が標準的でしたのでコンバーターは再使用します。

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各部、クリアランスを追い込みながら組み付け作業を行いました。


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ハーモニックバランサーは今が取り付けのチャンスです。



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PECS取り付けてから約6000km走行です。

標準的な摩耗のオートマは1~2万キロ以内での清掃でOKですが、

今後ドレンボルトに付く鉄粉の量によって清掃のタイミングは判断します


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摩耗粉を取れば新品に戻ります。。 だからPECSは永久使用できます。


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三和トレーディングさんの対策キックダウンレバー

オイル漏れに関しては樹脂製の純正品よりは何倍も良いですが

これでも完全ではないのが残念です・・・


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パーキングスイッチの導通確認。。

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組みあがったエンジンミッションに補機を取り付けて

実車テストのための積み込み準備OK

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テスト車両に積み込み


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エンジン始動

ここで冷間油圧をチェックしてから、実走行テストに向かいます。

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広い道路から狭い道、アップダウンも含めて

30kmほどを実際に走行して、シフトアップ、シフトダウン 変速ショックなどのテストを行います。

実際に、このテストで少しでも異常を感じた場合は再度分解して点検を行ったことは何度かあります。

エンジン側に問題がある場合もあるので、オートマだけをリビルト品と交換するだけでは

解決できないトラブルもあるわけです。


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テスト走行は快調でしたので出荷前に最後に温間油圧のチェックします。

前進側 6.7kg  良好です。


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リバース   12kg   良好でした。

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入庫時には燻っていたプラグも良く焼けてますので、

エンジン本体には問題はありません。

ご自身のボディに積み込んでから燃焼がよくない場合は、制御系に問題あることになります。


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乾杯1

今回も良い安心オートマができました。

気持ちのいいシフトを安心してお楽しみください。




本編に戻ります。・・・

NKI様 安心オートマのついでに・・・車検もやります







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