曽根です。





子供のころからMINIの助手席で育った娘さんが選んだ車はやっぱりMINIでした。


本編は

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MINIは4台目のお父さんもオートマのMINIは初めて。。。

こんなもんかなぁ・・と思ってたけど何かおかしい。。


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シフトアップでも、シフトダウンでも3速に入りません。

3速ホールドスタートでも1速に入ってます。 うーんこれは確かに異常ですね。

2速も滑ってる感じです。

走行距離は実走行と思われる約47000km。 

中古車市場では走行少ない上物として流通します。

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オイル交換から1000kmでドレンボルトには多くの鉄粉が付いてます。。

果たしてオートマ内部はどんなになってるのか・・・





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九州・岩崎自動車さんからの分解から安心オートマへの作業レポートです。




まずは外観からチェック

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4番シリンダーの裏側のヘッドガスケット辺りからオイル漏れの形跡です。

洗浄して最後に試乗した後に再度チェックしましょう。



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キャメルでの水路洗浄でもかなりの錆がでてきましたが・・・・


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サーモスタット、ウォーターポンプ、コアプラグの状態からも

内部の錆の様子がわかります。


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こんな感じで高圧洗浄してます。

ひとりなんで洗浄中は写真撮れなかったのでこれは別のエンジンの洗浄シーンです。



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ドレンには多めの摩耗粉が付いてます・・


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インナーブーツはタイラップで締められてました

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タイラップが干渉した形跡です。

やはり、ブーツを締めるのにはタイラップはお勧めできません。。

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キャメルオートの入庫チェックで、バキュームホースが切れてたことがわかっているので

それで燃調が濃くなっていたのですね。 

燃焼の状態は良くないです。



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分解していきます。




オートマのフロントパネルを外してブレーキバンドの消耗をチェックしておきます。

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あっ、 3速はバンドの爪にレバーがかかってません・・・

レバーとブレーキバンドが完全に外れてしまってる状態です。

3速バンドに何が起こってるのでしょう。。。


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これは2速バンドのレバー・・・

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レバーの動きから、2速バンドもかなり消耗してるのがわかります。



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リバースも消耗してますが、通常摩耗の範疇かと思われます。


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オイルポンプのクリアランスは 0.15mmのシックネスゲージがスルスル・・・・

使用限界を超えてます。

後期の最終モデルは新車当初からクリアランスの大きいものもあると言われてます。

このMINIは47000㎞程度の走行ですので、最初からの可能性あります。

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ポンプ軸のブッシュ消耗と併せて、

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特に低回転での油圧発生に影響があったと思われます。

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プライマリースラストも規定値よりかなり広がってます。

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既製品では間に合わないので、ワンオフ品を使って、

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調整しました。


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バルブクリアランスは・・・

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規定値の0.35㎜から大きく広がってました。

エンジン掛けてないですが、カチャカチャ音を奏でるエンジンが想像できますね。。


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バルブのリークテストはOK。。


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テンショナーパッドの消耗からも47000㎞が実走行ということがわかります。


長い期間で低走行ということは、1回に乗る距離が少ない か 次に乗るまでの期間が長いか・・・です。

このような乗り方は特に暖気運転(準備運転)を心がけていただきたいのです。


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タイミングチェーンの伸びは少なく、バルブタイミングのズレもありません。


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2速ドラムには深い傷が入っていて再使用不可・・


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レバーが外れてしまっていた3速のドラムにも傷が入ってます。

これも再使用不可です。


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ギヤドラムを抜くと ドラムを締め付けるブレーキバンドが並んで見えます。

手前から、リバースバンド、3速バンド、一番奥が2速バンドですが

真ん中の3速バンドは合口がくっついていて、ブレーキサーボから完全に外れています。

3速のブレーキサーボに油圧がかかってもまったく反応しないはずです。

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通常はリバースバンドから消耗が始まるのですが、今回は3速、2速が激しく消耗するというレアケースです。

なぜ3速バンドは合口がくっついてしまうほど熱が加わったのかを推理してみます。。

ブレーキバンドは離れてる合口を近づけることで真円のドラムを締め付けるという構造から

ドラムとブレーキバンドとの密着率には多少の個体差があります。

新車当初でもバンドの形状によっては密着率が60%前後しかないものが混じってまして

このオートマも密着率が低かったのではないかと・・・。

密着率が低いバンドはスリップし易くなってしまいます。

安心オートマはこの密着率にはこだわり、歪みや歪のあるバンドは使用しません。

それに加えて、さっきチェックしたオイルポンプのクリアランスが新車当初から大きかったことで、

油圧が少し低い分ブレーキバンドを締め付ける力が弱く、それもスリップを助長することになったと考えます。


3速バンドとリバースバンドは、変速する前にも働いて変速ショックを和らげる仕事をしているのですが

リバースバンドは合口を上下から締めるのに対し、3速バンドは合口の下側からだけを動かして締め付けます。

バンドの幅も3速はリバースの70%ほどと狭いといこともあり、

スリップ→ 摩擦材消耗 → 更にスリップ  の悪循環で過熱が進んだのではないかと推測します。


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剥がれてしまった摩擦材がストレーナーボトムに溜まってました。

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フォワードクラッチと

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トップ&リバースクラッチは走行距離の割には消耗してました。

湿式多板クラッチとプレートとの間にオイルが浸透して、

そのうえでしっかり油圧がかからなくてはいけません。

クラッチ板の狭い隙間に浸透するためには流動性の良いオイルが必要なので

オイルが暖まるまで暖気運転が必要になります。

まったーマン1ss 
オートマは柔らかくて浸透性の良いオイルを必要として

3ジャーナルのエンジンの方は厚い油膜を必要とするので

オートマMINIは、その使い方によって最適な粘度も変わります。

ただ言えることはオートマにとって、固すぎるオイルは

たいへん長い暖機運転が必要になってしまいます。



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3速バンドでキズが入ってしまったT&Rを交換するのですが

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ギヤキャリアと対になるギヤがあるので、両方を合わせて交換することになります。


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スラストも調整します


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メタルは1番側(前)の上(エンジンブロック側)が減ってました。

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オートマ車はこの部分のメタル消耗するケースが多いです。

クランクメタル、コンロッドメタルともオイルの通り道でクリアランスが広がると

油圧が落ちるので、安心オートマでは両方とも新品交換します。


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トルクで締めて、クランクはスルスル回転することを確認します。


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完成した安心オートマ


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チェーンの伸びはなくそのまま使用します。

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スターターシール交換


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元々、鉄粉の量が多いオートマミッションの2次摩耗を防ぐにはPECS for MINI ATが最適。

紙フィルターでは30ミクロン以下の鉄粉を除去することが出来ません。

更に、PECSは通過抵抗が格段に少ないのでエンジンに掛かる負荷も少なくてすみます。

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補器まで取り付けて試運転のために試験車両に積み込みます。


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サーモスタットが開くまで工場内で回して冷間油圧を確認してから


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エンジンの状態 シフトアップ、シフトダウン、変速ショックなどの確認のために

いつものように約30㎞のテスト走行を行います。

スムーズな変速でした。

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戻ってきて温間油圧のチェック

前進側 約7㎏  十分です


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リバース  約11.6㎏  OKですね


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30㎞の走行ではドレンに鉄粉は付いてません。

コンバーター内に少量の鉄粉は残ってますので、

今後、数千km走行する間に徐々にコンバーターから排出されてきますが

このオートマは最初からPECSを取り付けたので、それを除去してどんどんきれいになっていくはずです。


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入庫チェックで指摘した4番裏のヘッドから、新たな滲みがありましたので

今後のメンテナンスでヘッドガスケット交換を計画しておいてください。


乾杯1

今回も良いオートマができました。

早めのオイル交換と程よい暖気運転で

いつまでも気持ちのいいシフトをお楽しみください




本編に戻ります・・・・・






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