曽根です。



入庫したきっかけはブレーキ修理でしたが、

数年前に、オートマを修理したのに、最近変速しないことがあるんです・・・・とのこと。

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毎回変速タイミングが違う感じで オートマの動きに滑らかさはありません。

バックするときも グッグッという振動があります。


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デフケースとの接合部に使用されてるこの液体パッキンと

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ドレンボルトに付く、ハリネズミのような大量の鉄粉。。

(30ミクロン以下の小さな鉄粉がマグネットの磁力線に沿って連なってこのようにツンツンと立って見えます)


あの、こわれてしまうリビルトオートマの特徴です。。。

TCD様のMINIに使われていたミッションと同じです。



このリビルトオートマは、5年も持たないはず・・・・・

実はキャメルオートも過去にこのリビルトオートマを3年保証つきで販売してましたが

ほとんどが3年以内に壊れてしまいお客様にはたいへんご迷惑をおかけしてしまった経験があるんで

ハッキリ言えます。 

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お話しをお伺いするとオートマ修理後、2年以上預けてオールペイントと水周りの整備を

されたとのこと。。  だからボディはピカピカだったんですね。 

なので実質2年半しか乗ってないことになります。


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KMJ様に安心オートマのおとーと君に試乗して

その違いを体感していただき 即決断いただきました。







では、分解してどんな状態かを点検しながら安心オートマに変身していきます

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診察台に乗ってこれから分解します

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ベルトテンショナーの下にある打刻で例のリビルトオートマであることが分かりますが

部品を供給してもらって、各MINIショップで修理した場合は打刻が無い場合もあります。


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キックダウンのタイミング調整用のロッドですが

低速でシフトアップする方向に調整されてました。

ATにスリップもしくは変速時に違和感がある場合、このような調整をする場合があります。



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入庫時にも指摘しましたが、ミッション組み付けの際に

この液体ガスケットを使用してる場合は要注意です。


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クランクシャフトのねじ山がキツかったのでサラっておきます。


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スラストワッシャーが入ってません。


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入庫チェックのときと同様にドレンボルトには大量の鉄粉が付いてます。

ドレンボルトのマグネットは鉄粉を取り除くためのものではありません。

単なる鉄粉センサーなので、これっぽっちの鉄粉を吸いつけても焼け石に水

ミッション内部には大量の鉄粉が漂っているのです。

ですので、ネオジムとかフェライトとかの磁石の種類うんぬんよりも、

ある程度の表面積があって鉄粉の状態がわかりやすい純正タイプが最適です。


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ノーマルの濾紙オイルフィルターは、残念ながら このオートマの中を大量に漂ってる

30ミクロン以下の微細な鉄粉は素通りしてしまってます・・・・・

この状態でエンジンを守れるのは PECSだけです。






フロントパネルを開けて サーボピストンのストロークでブレーキバンドの消耗をチェックします

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リバース  やや消耗してます。


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3速、ストロークは大きく消耗してると思われます。

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2速バンドも消耗してるでしょう。



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オイルポンプのクリアランスチェック

ローターのクリアランスは大きいです。

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ブッシュも規定値より広がってるので交換になります。

オイルポンプは新品の供給がないので、安心オートマ独自のリメイク品を使います。



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プライマリースラスト測定     

シックネスが2枚入ってます・・・

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1.4mmもあります。


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残念ながらこのクランクシャフトは再使用できません。


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バルブクリアランスは。

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大きく広がってました。

この数値をみただけでも ガチャガチャと音が聞こえてきそうです・・・

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規定値に調整しておきます

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リークダウンテストは良好でした


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テンショナーパッドの消耗具合からの推測で

走行は15万キロくらいと思われます。


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フロントプレートは取り外された形跡がないので

前回のオートマ修理の際にメタルの点検はされてないようです。


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エンジンとオートマを切り離します。


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ドレンの鉄粉から予想できてましたが、

取り出したパワートレインは画像で見て分かるくらい大きく陥没してます。


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ギヤキャリアを含めて再利用はできません。





陥没したドラムの直径を測定してみます。

本来は 5インチ 127mm で無ければいけませんが・・・・

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リバースのギヤドラム、3速ドラムともに1mm以上 陥没してることになります


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フォアードクラッチからキャリアへのメインシャフトですが

オイルホールを拡大する加工がされてます。。。。


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これが本来のオイルホールです ↑



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↑このように拡大加工してありますが 必要の無いものです。


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このオートマに使用されてるブレーキバンドは摩擦材が強すぎて

最初からドラムを攻撃してしまってることになります。

更に薄くなった摩擦材の下からスチールの部分が出てます。


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フォワードクラッチから トップ&リバースクラッチへオイルを送る

オイルホールも拡大加工されてました。

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本来のオイルホールはこの状態です ↑

これも必要の無い加工です・・・・・・・





クラッチプレートは厚さがまちまちですね・・・

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本来のクラッチ板の厚さは 2.73mmです。

ギヤを入れた時のタイムラグや繋がり方に大きな影響がある部品です 





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ギヤキャリアを分解しました

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バラバラになったニードルベアリングがケース内に落ちてました。

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原因は 下の写真のように溶接されたベベルギヤが悪さをしたのだと思われます

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ベベルギヤの刃には 刃こぼれがあります

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剥離したギヤを溶接して再利用することで 正確な位置決めができてないために

このような刃こぼれが起こります。

純正のままの組み合わせのギヤは、このようなことは起こりません。




バルブボディの分解です。

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エンゲージメントコントロールバルブのスプリングは本来60~62mmでなければいけないのですが、


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約48mmまでカットしてあります。

部品の品質、クリアランス、組みつけ方の問題を 対症療法で解決しようと模索した結果だと思われますが

新車よりも高品質な摩擦材やシール、油圧保持のためのメタル交換 

そして正確なクリアランス管理しながらの組み付けが 何より重要なことは

安心オートマの実績が物語っています。。


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クランクスラストも開いてましたが、

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0.005インチ薄いスラストを使用してた為です。



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メタルも消耗してました。


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センターとリヤの下側のメインメタルはブロンズまで出てます。

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1番側 上のメインメタルもくっきりブロンズが出てしまってます。

メインメタルやコンロッドメタルはオイルの通り道なので

メタルクリアランスが広くなれば油圧の保持は難しくなります。


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クランクシャフトは交換して 組みなおします。

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キャメルの安心オートマは、3年3万キロの長期保証を実現するために

コストよりも品質に拘ります。。 メタルはACLを使用してます


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親子メタル交換

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今回は再使用できる部品がほとんどなかったので

ドナーミッションをベースにして安心オートマ完成です。

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合体

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タイミングプレートとミッションケースが干渉しないかチェック。。


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オイルポンプのガスケットは ストックヴィンテージオリジナルの銅製を使用します。

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クリアランス調整しながら、

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カバーと干渉しないか確認しながらの組み付け作業。



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オイルに混じった大量の鉄粉はオイルはコンバーター内の小部屋の壁に張り付いていて

すぐには出て来ず 安心オートマになってからもここから鉄粉を排出し続けることになるので


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コンバーターは新品に交換。

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そして、微細な鉄粉も100%捕捉する PECS でオートマとエンジンを

2次摩耗から守ります。
 
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キックダウンのタイミング調整用のロッドも正しい位置にセット

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三和オリジナルのキックダウンSWは右回りは1時方向

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左回りは10時方向までの位置で動いているか確認が必要です

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補器をつけてテスト運転の準備完了。。

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テスト車両に積み込みます

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インヒビタースイッチの作動確認して

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エンジン始動

油圧が正常にかかってるのを確認してから走行テストに入ります

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約30kmに及ぶ実走行テストで しっかり油温を上げて

オートマのタイムラグ、シフトの入り、変速ショックなどを確認します。


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戻ってきて温間時のオートマにかかる油圧チェック

前進 6.8kg    良好です。



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リバース 約12.5kg   良好です


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ニュートラル時のMAP  35kpa  OKです。

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ギヤを入れて負荷をかけたときのオートマの抵抗をチェック

コンバーターベアリングなどに抵抗がある場合は数値が大きくなります。

今回は新品のコンバーターにしたので軽く回ってるのが分かります。

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燃焼の状態もOK

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最後にもう一度タペットクリアランスをチェックして完成しました。

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乾杯1

今回も良いオートマができました。

早めのオイル交換と程よい暖気運転で

いつまでも気持ちのいいシフトをお楽しみください



本編に戻ります・・・・・・・





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