曽根です。


KD様  99年式のオートマクーパー ワンオーナーで約10万キロ走行です。

13年前に他店でリビルトオートマと交換されたそうです。

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今回入庫のきっかけのオイル漏れは原因がフィルターパッキン交換で解決しましたが、

3→4速への変速時の吹き上がりも気になるところ・・・

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しかし・・・  KD様がノーマークだったリバースの滑り発覚。。。

ブレーキと踏んだ状態でのリバースストールテストで1700回転を保持できずにNG

この時点で、安心オートマにすることを即決断いただきました。

KD様安心オートマへの記事 本編はこちらです・・・・


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リバースの滑りは、回転するギヤドラムをブレーキバンドが締め付けても回転を止められない状態で発生します。
そのギヤドラムが削られてしまってるのか、それとも油圧不足で締め付けできずに空回りしてしまってるか・・・

ドレンボルトに付着した鉄粉は、リバースが完全に滑ってるわりには少なめ。。。

果たして、ギヤドラムの再使用ができるか・・・




入庫時のオートマにかかる油圧チェックでは



シフトしたとき、油圧の落ち込みからの戻りが遅いですが油圧はかかってますので

ギヤドラムは締め付けているようです・・・・ 

さて、ギヤドラムの運命は如何に・・




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では、分解点検から安心オートマまでのレポートです。


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いつものように診察台に乗せられて分解点検開始。。。

今回のキャメル入庫時にフィルターパッキンからのオイル漏れ修理の際に

5コアのPECSがすでに取り付けられています。


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13年前のリビルトオートマにしたときのパッキンですね。。


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KM自○車さんのリビルトミッションで2005年製造 No.34の打刻があります。

リビルトオートマだけの供給で脱着、組付けは、それぞれ別のショップが行っているものと思われます。


まったーマン1ssMINIのオートマはオイルをエンジンと共有してることから、オートマだけを直しても

根本解決にならない・・・との視点から、キャメルの安心オートマは

エンジンとオートマを一心同体と捉えて、エンジン側のオイルポンプ、親子メタルなどの

点検交換を同時に行っています。


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エンジンとの接合面のはみ出しパッキン・・ 

外にはみ出してるということは、内側にもはみ出してる可能性があります。

オイルラインを塞ぐことになりかねず、液体ガスケットの使用は慎重に行う必要があります。


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コンバーターシールが奥まで打ち込まれていて・・・・

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ドレンホールを塞ぐことになってしまってました。。

これは組付け時の作業ミスです。

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プラグの状態は良く、燃焼は良かったようですね。


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フロントパネルを開けたらオートマケースから破損したデフのブロンズスラストワッシャーが出てきました。

これは、オイル交換の際にもときどきドレンから排出されてきます・・。



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リバースのサーボピストンのレバーは大きく動いてしまうので

ブレーキバンドの摩擦材は消耗してることが分かります。。これは完全にNGです。


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3速は正常です


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2速も正常ですね。。。

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オイルポンプのクリアランスは0.14mm

ローバーのサービスマニュアルでは0.15mmが最大値とされてますが、

これから10万、20万キロと活躍していただくために、安心オートマは交換基準を0.10mmとしています。

オートマのオイルポンプは新品の供給が無いので、安心オートマでは独自のリメイク品を製作して対応しています。

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オイルポンプの軸受けブッシュの測定・・

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基準値の3倍に拡大していましたのでブッシュは打ち替えます。


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プライマリースラストも広がってました。

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市販のスラストではサイズが無いのでワンオフ品で追い込みました。。。

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燃焼室のリークテストの結果は良好です。


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エンジンとオートマを切り離します。


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取り出したブレーキバンド、手前からリバース  3速  2速 です。

リバースの摩擦材は2/3ほどがゴッソリ剥がれて金属が剥き出しになってました。

2,3速はソナックスの文字もまだきれいに見えるほどでしたので

リバースの油圧に異常があったのですね。

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ブレーキバンドを締め付けるサーボピストンのシールは

かなり硬化していてゴムという状態ではありませんでした。

いつもはペンチで掴んで取り外せるのですが

硬化しすぎてパチパチ切れて外せなかったので溝にマイナスドライバーを刺し込んで

シールを切って取り外したほどです。

弾力を失ったピストンシールは油圧漏れの重要参考人です。。。



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摩擦材が剥がれたリバースのブレーキバンドが締め付けるギヤキャリアは

残念ながら傷が深く再使用は無理でした・・・


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ファードクラッチ板は消耗は少ないのですが、

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トップ&リバースクラッチの方はスリッドが全く残ってません

油圧不足での圧着不良が推測されます

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ここの4本の Oリングは 変速に大きな影響があります。

特に右側の2本は4速への油圧コントロールなので

ここから油圧が漏れることで 3→4速での吹き上がりがあったのでしょう。


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4本ともかなり硬化しており、取り外す際に千切れてしまいました。

この4本のOリングはシリンダー(筒状)の中で動くので外に飛び出してしまうことはありませんが

油圧漏れは起こしていたはずです。

今回はサーボピストンシールとこの4本の Oリングが硬化して 油圧漏れを起こしていたと断定できます。


まったーマン1ss
キャメルオートがオイル交換の際に添加を勧めているSOD-1は、清浄・潤滑強化以外にも

このようなゴムシールの硬化予防または硬化してしまったシールを復活させる効果で

オートマを長持ちさせることを目的の一つとしています。



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剥がれたリバースのブレーキバンドの摩擦材は

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オイルストレーナーボトムに集まってました


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クランクのスラストを測定してから取り外し

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メタル交換のため分解しました

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(親)メインメタルの1番側の上 の部分はメタルが消耗してブロンズが出てました。

これはオートマ車に良く見られる消耗のしかたです。

メインメタル、コンロッドメタルともに、オイルの通り道になるので

メタルの消耗は油圧逃げに大きく影響します。


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安心オートマはすべて親子メタルを交換しますが、

キャメルオートでは特にメタルの品質に拘り 

現在選択できる最善のメタル(ACL)をチョイスしています。


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キチッとトルクで締めて、クランクが手でスルスル回ることを確認します。



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安心オートマの組付け作業中です。

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バルブボディを組付けて安心オートマ完成です。


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タイミングプレートとミッションケースが干渉しないかチェック


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ハーモニックバランサーは中高回転での振動を打ち消してくれるので

心地よいだけでなく、メタルなどメカニズムへの負担軽減が期待できます。

エンジンが降りてるこのチャンスに取り付ければ工賃がかからないのでお得です。。。


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新車当時のオイルポンプよりクリアランス精度の高い、安心オートマ専用のリメイク品


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キャメルオートの安心オートマは、ポンプからの油圧漏れリスクゼロを目指し、

ポンプパッキンはストックヴィンテージオリジナルの銅製を採用

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カバーと干渉しないか確認しながら組付けていきます



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コア増しの5コアPECS

安心オートマにする直前に取り付けたばかりなので、ほとんど鉄粉は付いてません

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サーモスタット、ステンボルトを新調して組付けます。


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PとNでインヒビタースイッチが作動するかチェック

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補機をつけてテスト車両に積み込みます


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エンジン始動。。

エンジン、オートマに正常に油圧がかかっているか確認しながら各部チェックします。



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そして、30kmの実走行テストを行います。

エンジンの具合、オートマのタイムラグ、シフトの入り、変速などのを確認します。

この実走行で異常があれば、再び分解して作り直す覚悟でのテストです。

テストは快調でした。

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工場に戻り油温があがってる間にオートマにかかる油圧チェック

前進側 約7kg   良好です


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リバースは12.2kg  良好です


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無負荷でのインマニの負圧MAP 35kpa   OKです。


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前進にギヤを入れて負荷をかけた状態でのMAPも測定


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コンバーターベアリングなど抵抗になる部分も問題なし。。


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試運転後のプラグチェック   燃焼も良好です。


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30kmのテスト走行でのドレン鉄粉がきれいなのはまぁ当然です。

今回はコンバーター交換してませんので、今後コンバーター内に残っている鉄粉が

徐々に排出されてきますが、すでにPECSが付いているので全く心配は要りません。


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安心オートマにする前に大量の鉄粉を排出していたオートマの場合、

コンバーターまで交換しなければ、オートマ修理後も大量の鉄粉がコンバーターから流れ出続けます。

他店でオートマ修理される場合は注意してください。 

せっかくオートマを修理しても流れ出る鉄粉が再びオートマとエンジンメタルを攻撃してしまいます。

その状態でエンジンとオートマを守れるのは、PECSだけです。


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乾杯1


今回も良いオートマができました

オートマに適したオイルチョイスと程よい暖気運転で

いつまでも気持ちのいいシフトをお楽しみください



本編 『KD様 オイル漏れで解決のはずが・・リバース滑りで安心オートマにします』 に戻ります。。  

* オートマにかかる油圧の動き(ビデオ)は本編をご覧ください。




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