曽根です。
IGS様 98年式ポールスミス 走行67300㎞
平成18年に購入してから13年間で約26000㎞・・・
1年間で2000kmしか乗ってないのですね。
乗る前に暖機運転してます?
『ごめーん、あんまりしてなかったぁ・・・・』
(☆ 今後の暖機運転のためにリモコンエンジンスターターを取付けることにしました。。)
ギヤを入れた時のタイムラグはあります。
走行テストでは2、3速に入る時に滑りを感じましたが
まだ、普通に走ってる・・と感じてたと思います。
しかし、ブレーキを踏んでリバースのストールテストでリバースの滑りが発覚。
IGS様の車検でお預かり中にオートマ異常発覚の本編はこちらから・・・・
通常バックでパワー掛けることが無いので、もっと症状が進んでしまってから気付くことが多いです。
この程度だと、オートマに異常はあるものの、なかなか気づかないで乗り続けてる方は多いと思います。
~*~*~*~*~*~*~*~*~
では、分解点検から安心オートマまでのレポートです。
診察台に乗せる前に残ってるオイルを絞りだします。。
ドレンボルトの摩耗粉は多くない方です。
ギヤドラムとブレーキバンドは削れずに助かってるといいんですけど
症状から推測すると微妙です。。
燃焼はイイですね。
ウォーターポンプとコアプラグ。。
水路メンテナンスは悪くないです。
まずはオートマのフロントパネルを開けてチェックします
まず目に入ったのは2速バンドのレバーが垂れてます。。。これはNG
下に押し下げると大きく動き、摩擦材が大きく消耗してるのがわかります。
3速バンドは大丈夫そう。。。
滑りのあったリバースバンドも消耗は進んでます。
オイルポンプのクリアランスは・・・
0.15㎜のシックネスがスルスルで使用限界を超えてしまってます。
これは消耗したのではなく新品当時のクオリティの低さだと思われます。
97年式以降の後期型のMINIはオイルポンプが最初から良くないものが多く
慢性的な油圧の低さが湿式多板クラッチやブレーキバンドの締め付け不足を誘い
摩擦材を消耗が進む・・・という悪循環によってオートマが痛めつけられるケースが多いです。
今回のケースも、先天的なオイルポンプの弱さが引き金になったのでしょう。。
オイルポンプのブッシュの測定・・
消耗が進んでます。
回転の軸がぶれることで更にクリアランスが大きくなります。
プライマリースラストはだいぶ広がってます。
市販のスラストでは修正しきれないのでワンオフで作成したもので調整します。
追い込んでおきました。。。
燃焼室のリークダウンテストは良好でした。
テンショナーの消耗具合から走行距離は実メーターでしょう。
エンジンとオートマを切り離します。
ブレーキバンドのレバーチェックで異常のあった2速バンドが掛かってるT&Rクラッチは
削れてしまってて再使用不可でした。。。残念。
一番奥の2速バンドは30%くらいの範囲で摩擦材が剥がれてしまってました。
あと、一歩オートマの異常に気付くのが早ければT&Rクラッチも助かってたかも・・・
そう考えると、タイムラグが出てきたな・・と
思った時が安心オートマにするベストタイミングになりますね。
メインシャフトの軸受けブッシュの摩耗測定・・
消耗してました。。 ブッシュ打ち替えが必要です。
フォワードクラッチはスリッドが僅かに見える程度で使用限界を超えてます
T&Rクラッチも同様の状態でした。
油圧が低くて密着力が弱かったのは大きな原因のひとつですが
暖気運転が不足してても、湿式多板クラッチの隙間に十分オイルが浸透しない状態で負荷がかかるので
滑ります。
今回は ご本人も仰ってますがあまり暖機運転してなかったようですので、それも摩擦材消耗に拍車をかけたんでしょう。。
ブッシュに段付き摩耗が見られます。。
ギヤキャリアブッシュは3ヵ所とも打ち替えが必要でした。
エンジン側 クランクの分解です。
クランクメタル コンロッドメタルが消耗してクリアランスが広がると
オイルが逃げるので油圧も下がることになります。
このような基本的なクリアランスをキチっと合わせていくことで全体の油圧保持を目指すのが
安心オートマの基本となります。
今回は親子メタルともに消耗は少なく良い状態ですが、新品メタルと交換します。
クリアランスを追い込みながら慎重に組付けを進めます
タイミングプレートとミッションケースが干渉しないかチェック
テンショナー交換
中回転以上の振動軽減に効果的なハーモニックバランサー取り付けます。
安心オートマにする時なら取付け工賃無しでつけられるので、取り付けるチャンスです。。。
カバーと干渉しないように組付けます
組付けも最終段階・・
コンバーターシール入れてコンバーター取付けます
長期間交換しないPECSのために材料から作り直した
キャメルオリジナルのオイルフィルターパッキン。。
PECSのフィルターケースの内側には摩擦材のカスが残ってました。
摩擦材が小さく砕かれた状態です。
PECSに付着した鉄粉も掃除しておきます。。
三和オリジナルの 対策品キックダウンレバー取付。。
Pスイッチ(インヒビター) の導通チェック
安心オートマが完成しました
試験車両のMINIに積み込みます
ここからは、安心オートマだけが行う『実車に載せてのテスト』です。
工場内で動かし動作確認、そしてオートマに掛かる油圧チェックしてから
走行テストにうつります。
約30kmに及ぶ実走行テストで
エンジンの状態、オートマのタイムラグ、ギヤの入り 変速の状態などをみます。
実走行テストはすべて問題なし。。。
工場に戻って、油温が上がってるうちにオートマに掛かる油圧チェックします。
前進側 7㎏ 良好です
リバース 約12㎏ OKです
30㎞走行後のプラグチェック。。 燃焼も良好です
ドレンボルトの摩耗粉も問題なくこれで出荷できます。
安心オートマ完成です。
今回もいいオートマができました。
一生乗り続けてください。
暖機運転はよろしくお願いします。
本編 『IGS様 車検でMINIへのご褒美!安心オートマ&足回りリフレッシュ』 はこちらから・・
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キャメルオート オンラインショップ
PECSや売れ筋パーツ販売してます
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http://camel-auto.co.jp/ TEL.0120-810-002
IGS様 98年式ポールスミス 走行67300㎞
平成18年に購入してから13年間で約26000㎞・・・
1年間で2000kmしか乗ってないのですね。
乗る前に暖機運転してます?
『ごめーん、あんまりしてなかったぁ・・・・』
(☆ 今後の暖機運転のためにリモコンエンジンスターターを取付けることにしました。。)
ギヤを入れた時のタイムラグはあります。
走行テストでは2、3速に入る時に滑りを感じましたが
まだ、普通に走ってる・・と感じてたと思います。
しかし、ブレーキを踏んでリバースのストールテストでリバースの滑りが発覚。
IGS様の車検でお預かり中にオートマ異常発覚の本編はこちらから・・・・
通常バックでパワー掛けることが無いので、もっと症状が進んでしまってから気付くことが多いです。
この程度だと、オートマに異常はあるものの、なかなか気づかないで乗り続けてる方は多いと思います。
~*~*~*~*~*~*~*~*~
では、分解点検から安心オートマまでのレポートです。
診察台に乗せる前に残ってるオイルを絞りだします。。
ドレンボルトの摩耗粉は多くない方です。
ギヤドラムとブレーキバンドは削れずに助かってるといいんですけど
症状から推測すると微妙です。。
燃焼はイイですね。
ウォーターポンプとコアプラグ。。
水路メンテナンスは悪くないです。
まずはオートマのフロントパネルを開けてチェックします
まず目に入ったのは2速バンドのレバーが垂れてます。。。これはNG
下に押し下げると大きく動き、摩擦材が大きく消耗してるのがわかります。
3速バンドは大丈夫そう。。。
滑りのあったリバースバンドも消耗は進んでます。
オイルポンプのクリアランスは・・・
0.15㎜のシックネスがスルスルで使用限界を超えてしまってます。
これは消耗したのではなく新品当時のクオリティの低さだと思われます。
97年式以降の後期型のMINIはオイルポンプが最初から良くないものが多く
慢性的な油圧の低さが湿式多板クラッチやブレーキバンドの締め付け不足を誘い
摩擦材を消耗が進む・・・という悪循環によってオートマが痛めつけられるケースが多いです。
今回のケースも、先天的なオイルポンプの弱さが引き金になったのでしょう。。
オイルポンプのブッシュの測定・・
消耗が進んでます。
回転の軸がぶれることで更にクリアランスが大きくなります。
プライマリースラストはだいぶ広がってます。
市販のスラストでは修正しきれないのでワンオフで作成したもので調整します。
追い込んでおきました。。。
燃焼室のリークダウンテストは良好でした。
テンショナーの消耗具合から走行距離は実メーターでしょう。
エンジンとオートマを切り離します。
ブレーキバンドのレバーチェックで異常のあった2速バンドが掛かってるT&Rクラッチは
削れてしまってて再使用不可でした。。。残念。
一番奥の2速バンドは30%くらいの範囲で摩擦材が剥がれてしまってました。
あと、一歩オートマの異常に気付くのが早ければT&Rクラッチも助かってたかも・・・
そう考えると、タイムラグが出てきたな・・と
思った時が安心オートマにするベストタイミングになりますね。
メインシャフトの軸受けブッシュの摩耗測定・・
消耗してました。。 ブッシュ打ち替えが必要です。
フォワードクラッチはスリッドが僅かに見える程度で使用限界を超えてます
T&Rクラッチも同様の状態でした。
油圧が低くて密着力が弱かったのは大きな原因のひとつですが
暖気運転が不足してても、湿式多板クラッチの隙間に十分オイルが浸透しない状態で負荷がかかるので
滑ります。
今回は ご本人も仰ってますがあまり暖機運転してなかったようですので、それも摩擦材消耗に拍車をかけたんでしょう。。
ブッシュに段付き摩耗が見られます。。
ギヤキャリアブッシュは3ヵ所とも打ち替えが必要でした。
エンジン側 クランクの分解です。
クランクメタル コンロッドメタルが消耗してクリアランスが広がると
オイルが逃げるので油圧も下がることになります。
このような基本的なクリアランスをキチっと合わせていくことで全体の油圧保持を目指すのが
安心オートマの基本となります。
今回は親子メタルともに消耗は少なく良い状態ですが、新品メタルと交換します。
クリアランスを追い込みながら慎重に組付けを進めます
タイミングプレートとミッションケースが干渉しないかチェック
テンショナー交換
中回転以上の振動軽減に効果的なハーモニックバランサー取り付けます。
安心オートマにする時なら取付け工賃無しでつけられるので、取り付けるチャンスです。。。
カバーと干渉しないように組付けます
組付けも最終段階・・
コンバーターシール入れてコンバーター取付けます
長期間交換しないPECSのために材料から作り直した
キャメルオリジナルのオイルフィルターパッキン。。
PECSのフィルターケースの内側には摩擦材のカスが残ってました。
摩擦材が小さく砕かれた状態です。
PECSに付着した鉄粉も掃除しておきます。。
三和オリジナルの 対策品キックダウンレバー取付。。
Pスイッチ(インヒビター) の導通チェック
安心オートマが完成しました
試験車両のMINIに積み込みます
ここからは、安心オートマだけが行う『実車に載せてのテスト』です。
工場内で動かし動作確認、そしてオートマに掛かる油圧チェックしてから
走行テストにうつります。
約30kmに及ぶ実走行テストで
エンジンの状態、オートマのタイムラグ、ギヤの入り 変速の状態などをみます。
実走行テストはすべて問題なし。。。
工場に戻って、油温が上がってるうちにオートマに掛かる油圧チェックします。
前進側 7㎏ 良好です
リバース 約12㎏ OKです
30㎞走行後のプラグチェック。。 燃焼も良好です
ドレンボルトの摩耗粉も問題なくこれで出荷できます。
安心オートマ完成です。
今回もいいオートマができました。
一生乗り続けてください。
暖機運転はよろしくお願いします。
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