曽根です。



2000年 40thクーパーリミテット 走行55000㎞ 

内外装ともきれいなMINIです。。

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お嬢さん用に1年ほど前にオートマをOHしてもらって購入されたそうですが

エンジン回転を上げないとギヤが繋がらない・・・・とのことでご入庫です。

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仰るようにDレンジに入れてもアイドリングでは繋がりません。

Dレンジで本来5.3㎏必要な油圧が4kg以下しか上がりません。

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ドレンボルトには大量の鉄粉が付いていて

症状からの推測で オートマ内部機構のほとんどが再使用できないリビルトオートマの可能性もあります。

オーバーホールして数千キロしか走行してませんが、

はたして、オートマ内部はどんなになっているのか・・・・・





~  ~  ~  ~  ~  ~  ~  ~




では 九州岩崎自動車さんから分解から安心オートマへの作業レポートです。


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オイルパンの底に溜まってるオイルを絞ってから

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診察台に載せられ、点検開始。。


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ドレンボルト点検

すみません・・・キャメルで点検した時、大量についた鉄粉を拭き取っちゃったかもしれません。。

それにしても、通常のドレンよりもはるかに多いです。


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プラグの状態からは燃焼にバラつきがあったと推測されます。



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黒いシールパッキンが使われています・・・

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お聞きしてたようにオートマは分解された形跡があります。


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ブローバイセパレーターに詰まりがあります。

ブローバイが多いのは吹け抜けガスが多いことも原因のひとつです。

今後のメンテナンスの参考にしてください


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オートマ修理の際に、コンバーターシールも交換されていました。

現在は、このシールとは違うメーカーのものを使用します・・






フロントパネルを開けてブレーキバンドの消耗具合の点検です。。。

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リバースバンド  

レバーの動きは大きくブレーキバンドの摩擦材は消耗してるのがわかります

安心オートマの組付けの際は5㎜程度の動きに調整されるところです

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3速も消耗してますね。

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2速も同様に消耗しています。



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樹脂製のオイルポンプパッキンが使用されてました。。。

キャメルの入庫チェックで心配していたリビルトオートマで使用されてるものと同じ・・・


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ポンプのクリアランスは、安心オートマの使用できる基準から大きく広がってます。

オートマのオイルポンプは新品供給がないので、安心オートマには独自のリプロダクト品を使用します。


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プライマリースラストは規定から大きく広がっていて

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クランクシャフトの再使用はできません。。。


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バルブクリアランスは本来 0.30~0.35㎜が基準ですが

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大きく広がってました。 

エンジンかけてませんがガチャガチャとタペット音が聞こえてくるようです(笑)



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テンショナーパッドがチェーンを抑えていませんでした。。。??


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ここでエンジンをオートマを切り離してオートマ内部の点検になります。




あぁ~

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キャメルの入庫チェックで心配していたリビルトオートマでした。。。

過去にも、同様な事例が多数ありますが、過去のひとつの事例にリンクしておきますので

参考にしてください。  ほとんど同じ状態で壊れています・・・・・


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ブレーキバンドの材質によるものと思われますが

ドラムは必ず削れて陥没してしまっています。

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リバースのブレーキバンドが掛かるギヤドラムも傷が入っていて

すべてが再使用不可です。。

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フォワードの油圧ラインに仕込んであるCリングが1本ありません。滑落してるようです

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赤い矢印の方が純正のCリング

青い矢印の方は このリビルトオートマ独自の材質で製作されてるようですが

このように削れて細くなってしまうケースが多く見受けられます

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このCリングが削れた破片がコレです・・・

純正のCリングが滑落したことは皆無かと思われますので

せっかく改善しようとされたことでしょうが残念ながら無駄だったようです。

このCリングの破損でフォワードクラッチへの油圧が漏れていたと考えられます


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このリビルトオートマの独自のクラッチ板

こちらはフォワードクラッチ

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トップ&リバースクラッチも同様。




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このリビルトオートマはベベルギヤを溶接してあります

溶接によって変形してクラックが入り剥離してしまう・・・というケースを多数見てきました

2組あるベベルギヤは片方が剥がれても普通に動いてしまうので

走行中にその症状を確認することはできません。

2つのベベルギヤが破損した瞬間に、前にも後ろにも動かなくなります。

事例1    事例2




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デフケースしたのストレーナーボトムには・・・

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剥がれた摩擦材のカスが溜まっていました。

大量のカスがストレーナーメッシュを塞ぐとオイルが吸えなくなり

油圧不足を起こすという悪循環になります

以上、オートマの分解報告ですが、このほかにもバルブボディにも独自の加工がされてるために

再使用できずに、別のドナーミッションのものを使用することになります。




では、次はエンジンブロック側です。。。

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クランクスラスト測定

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拡大していました

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クランクメタルとコンロッドメタルを外しました




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キャップ側・・・

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ブロック側 ともに一部にブロンズが顔を出していてすり減ってました。。

この親子メタルのクリアランスが広がるとオイルが漏れて油圧低下の原因になります。

MINIはエンジンとミッションを同じエンジンオイルが循環しているので

エンジン側に油圧漏れがあってもオートマへの油圧も同時に下がるという

一心同体の運命共同体なのです。


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今回は、大量の鉄粉が循環していたことからカムメタルの交換もメニューに入っています。

カムを抜くのでバルブリフターも取り出しましたが、ほとんどのリフターの頭は

虫食い状態の傷が入っていたのでドゥトレーディングさんのリフターに交換します。


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SSTによりヘッドを分解することなくカムメタルの交換できます







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親子メタル交換します。

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キャメルオートの安心オートマで使用するメタルは

現在入手できる最高品質のACLを使用しています。

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キチっとトルクで締めて組付けていきます


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ドナーミッションをベースに安心オートマが出来上がりました

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チェーンテンショナー交換。

もちろんちゃんとチェーンを抑え付けるように組付けます

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ガスケットが原因で油圧が漏れることは絶対に避けなければならないので

SVオリジナルの銅製ガスケットを使用するのもキャメルの安心オートマの拘り。。


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オイルポンプは独自にリプロダクトされた安心オートマ専用品を取付けます

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プライマリースラストはワンオフで作成したものを使用して・・・

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キチっと追い込みました。。

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2500回転以上での振動を効率的に打ち消してくれると

好評のハーモニックバランサーもチョイスされてます。

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ハーモニックバランサーはエンジン組付け時の取付けなら工賃が掛からないので

安心オートマと同時に取り付けるケースが多いですね

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現在流通しているコンバーターシールはTTO製。


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カバーと干渉しないように組付けます


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サーモスタットも交換します。

インジェクション車は88℃のものを選ばなくてはいけません。


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キックダウンレバーは三和さんの対策品を使用しますが

ここからのオイル漏れはなかなか根治しないのが実情です。。。

まだ今後の改善が望まれるパーツのひとつです。

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バルブクリアランスは0.30㎜で調整しました

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ニュートラルスイッチ(インヒビター) の導通確認OK



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今回はトルクコンバーターも新品に交換します。



まったーマン1ss

鉄粉が大量に循環していた場合はコンバーター内部の小部屋にも

大量に堆積していて、そのコンバーターを再使用すると

安心オートマになってからも大量の鉄粉を排出し続けることになります。

過去ブログ『安心オートマにしたのにどこから鉄粉がでてくるの?』 をご覧ください


★キャメルのオイルフィルターPECSを取り付ければ約1万キロ走行後には

すべての鉄粉を取り除くことが可能ですが、頻繁にPECSの清掃をする必要があります。





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このようにコンバーター交換に備えて準備しておりますが

すでに新品の生産は終了しているので 将来的にはコンバーターの再製も必要になると思います。



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補機類を取り付けて実車でのテスト準備完了。。。

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テスト車両に積み込みエンジン始動。。

オートマに掛かる油圧を確認してから工場を出て

約30kmに及ぶテスト走行を実施します。

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エンジンの状態チェック

オートマはギヤの入り、タイムラグ、変速 キックダウン・・・の動きをすべてチェックします

ここで異常を感じれば、もう一度分解点検する覚悟でのテストです。

この実車による走行テストを行うことが 安心オートマの信頼につながっていると自覚しています。

走行テストはOKでした

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工場に戻り 温間でのオートマ油圧チェックです。

前進油圧 約7㎏ OKです。


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リバース油圧  約12㎏   良好ですね。






ミニモニでのMAP測定によるオートマの抵抗をチェック

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ニュートラルでMAP31Kpa   正常です


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Dレンジに入れて前進側にギヤが入ってる状態で44kpa 正常です。

新品コンバーターなのでベアリングも軽くスムーズに回ってるようですね。

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燃焼も悪くありませんね



最後に燃焼室のリークダウンテスト

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1番OK

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3番OK

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4番OK


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2番・・・ 吸気バルブから若干漏れあり

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吸気バルブを軽く叩いてバルブを密着させようとしましたが

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僅かですが漏れがありますね。

この程度では実走行に問題が出るほどではありませんが、

将来的にはヘッドのOHでバルブ密着改善すればさらに快調になると思います

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30㎞の実走行後のドレンボルト   OKですね。

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安心オートマ完成です。。


乾杯1

今回もいいオートマができました。

今までのオートマとの違いを確認されてください。

暖機運転は必ず心がけてくださいね。




本編に戻る 『AND様オートマ不調 回転を上げないと前進しません』







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