曽根です。



約50歳のバンデンプラスプリンセス。。。

4年前からお乗りですが半年くらい前からバックが滑り始めたとのことです。。。

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レッカーで入庫したときは平らなところもバックできない位滑ってました。。

入庫チェックではオートマ油圧は出てるので摩擦材の消耗が予想されます。


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オドメーターは55400㎞ですが・・・ 何周か回ってるでしょう。。


バンデンプラスは今まで50年間頑張ってくれたし、せっかく降ろすなら

ヘッドもエンジンも分解点検することにします。。

* 基本的にバンプラはフルオーバーホールさせていただくことをお奨めしてます。


お預かりから納車までの本編はこちら・・・



~  ~  ~  ~  ~  ~  ~  ~



では、岩崎さんからオートマとエンジンの分解から安心オートマまでのレポートです。

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このセレクターバー   MINIと違い曲がってます。。。曲者です。。

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インジェクションMINIだと、バイパスホースでインマニとヒーターに向かって出るパイプに

穴が開いてません。

最後に、インジェクションシステムでこのエンジンを動かして試運転したのですが

その時にここが塞がってるのを うっかり忘れてしまい燃調が濃すぎることになったのは

後半の試運転のところでご報告します・・・。


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コンバーターは 1度取り外されてるようですが ロックタブが起こされてませんでした。


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あらら、プラグの先が折れちゃいました。。。 ヒビが入ってたのでしょう


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ブロック背面には過去にオイル漏れがあったと思われます。

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ドレンプラグは交換されていて 純正のネジ山ではありません。

鉄粉の確認ができないのでこれは困ります。。。

オイルフィルターも大きさが違うので、MINI用のPECSが使えません。。。

早めのオイル交換でペーパーフィルターを分解して中を確認するなどの注意が必要になります。



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クランクシャフトのテーパー部分がかなり荒れてました

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コンバーターシールは去年まで代替えパーツとして出回ってたNTK製が使われてました

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オイルフィルター分解


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フィルターの交換サイトは長かったかもしれません。。 ヨレヨレでした





フロントパネルを開けて、MINIと同様にレバーを押し下げて

ブレーキバンドの消耗チェックします

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リバースのブレーキバンドは、予想通りかなり消耗・・いや逝ってます。


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3速バンドはまだ摩擦材は残ってそうです

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2速も残ってそうですね。


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オイルポンプの分解点検・・・

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クリアランスは広がってました。。

再使用不可です。。

旧タイプのポンプですが、これは新品在庫が僅かですが残ってますので

新品に交換します。


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プライマリースラスト調整は市販品のスペーサーでは間に合わないので・・・・


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ワンオフ品にて

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調整いたしました。



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各気筒別にリークダウンテストを行ってます。

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2番OK

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3番OK

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4番のINにリークがあったので・・・

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バルブステムをコツン・・

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復活しました。

この時点では 2,3番OKだったんですが・・・

ここでも完成チェックで問題発覚しました。。。 詳細は後半で



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ヘッド外しました。。


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コアプラグを3個とも打ち換えた形跡がありましたが・・・・



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ヘッドのガスケットのリングの上に乗る状態で加工されてました。

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これは良くないですね・・・

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このプレートは裏返しで取り付けられてました・・・・・・

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カムスプロケットは取り外された形跡はありませんでした


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2番シリンダーを測定中

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基準点を決めて・・・

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縦側は4/100mm拡大してます

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横は2/100㎜なので 少々楕円ですね・・

本来ならばボーリングしておきたいところですね・・・


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ブロック上面は3方向とも問題ないレベルでした。



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エンジンとオートマを切り離します。

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オートマのセレクターシャフトの外径が6mmのタイプですが、

このシャフトに対応する相手側のオイルシールの供給がすでにありませんので

オートマケースの加工とセレクターシャフトの交換する必要があります。

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リバースバンドが締め付けるギヤドラムには傷が入ってなかったのですが・・・

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右側の2速バンドが締め付ける T&Rクラッチと

左の3速ドラムには縦溝ができてます。。。

3速ドラムとギヤドラムは、別のユニットからの部品を組み合わせることはできませんので

すべて交換になります。 

新品供給は無いので中古良品での対応です。



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手前がリバースのブレーキバンドです。。 

リバースの滑りはこれが原因ですが、ギヤドラム側に傷が無かったのは奇跡です・・



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フォワードクラッチも

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T&Rクラッチも ほぼスリッドは無く交換時期でした

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T&Rクラッチの裏側のOリング・・  インジェクションMINIは4本ですが

この時代は3本しかなく、それもかなり硬化しています。。。

3⇒4速で 吹き上がりとかもしやすくなってました。。。

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今回 交換させていただくギヤドラムですが念のために分解したところ・・・

ベベルギヤにクラックが入ってました。

ベベルギヤは向かい合う2個が対になってますが、片方だけが剥がれても普通に動いてしまい

2つとも剥がれた時に、前にも後ろにも空回りして動けなくなります。

片方にクラックが入った時点で交換できて良かったと思います。



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取り外した親子メタル・・

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4番のコンロッドメタ(子メタル) はオイル切れを起こしてたようです。

良いタイミングでのオーバーホールでした。



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バルブリフターも取り出しました。  

傷の多いものとそうでもないものが混在してますね。


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ピストン取り出して雑魚寝中・・・

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ピストンは頭を振ってたようです


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ブロック、ヘッドを洗浄して オートマの作業を始めます

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フォワードクラッチ  

安心オートマ用のクラッチ板に交換。。


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ファードクラッチシャフトの

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Cリングも新品に交換です

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T&Rクラッチも安心オートマ用に交換です。

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バルブボディも洗浄して内部パーツの確認します。

エンゲージメントバルブ内を通る0.9㎜の穴の詰まりチェック。。

ここがバルブボディの中で一番狭い通路になります。

PECSの0.4㎜メッシュフィルターはこの穴の詰まりを防止することを意識して作りました


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スプリングの自由長チェック


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バルブボディから出るパイプ

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外側に向かっているデリバーリーパイプ4本を同時にガバナーエンドに

間違いなく挿入いしなくてはいけません。


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ピニオンギヤも入れ替えます


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入庫時に液体パッキンてんこ盛りだったフランジも

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見栄えよく組付けました。



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安心オートマ完成です。。。。



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バブルフェース整えました

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メクラ蓋は打ち直しました。


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入庫時のリークダウンテストでは2,3番は大丈夫だったのですが

2,3番の隣り合ったエキゾーストのバルブシートの状態が良くありません。


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バルブシートの新規設置を行いました。


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それと・・・ コッタキャップの形状が1個違うことに気づいたので加工します。

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同じ高さに収まりました。



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ポートからエアを吹き込んで密着試験。。。 合格




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深緑でペイント。。。

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ピストンリングは新品に交換しました

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親子メタル カムメタル は現在手に入る最良のACLを使います。


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メタル交換して

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組付けていきます


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バンプラのエンジンをインジェクションシステムで試運転する準備です。。


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クランク角センサーで点火信号を拾うために

トリガー付きのインジェクションのコンバーター取付・・・・・


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オーバーホールされたヘッドとツーショット。。。

燃焼室とバルブとはこの写真が見納めです♪

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キックダウンレバーの調整

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エンジンとオートマ組付け完了。。




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バンプラのミッションとジョイントされるドライブシャフトを

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MINIに取り付けることで

MINIのボディで走らせることができます。

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バンプラのエンジンをMINIに積み込み完了

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バンプラがインジェクションで動いてます!!


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では、いざ出陣。。
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お約束の 30㎞実走テストです。

エンジンの調子、 オートマの入り、変速状態 などを確認するためには

この実走行テストは欠かせません。

MINIのインジェクションシステムで動かすことでバンプラの安心オートマでも

実走テストができてます!!


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戻ってきてのオートマの温間油圧

前進側 7kg


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リバース 10㎏でした。

油圧はOKでオートマの調子も良かったんですが・・・・・

ちょっとエンジンの吹けが悪かったかな。。


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プラグが燻ってます。。。 

バンプラをインジェクションシステムで動かしたから?????


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冒頭で白状した失敗がこれです。。

インジェクション車はこのサーモハウジングから出たバイパスホースが

インマニに繋がってて、そこに水温センサーが付いてるのです。。

ここのパイプがメクラ栓になってると水温センサーに水が届かなかったんですね。

水温センサーの温度が上がらず濃い燃調のままだった・・・というオチでした。


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インジェクション車用のサーモハウジングに交換して

再度、走行テストに向かいます

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うーん さっきよりもだいぶ快調。。

バンプラのエンジンもインジェクションで動かすとこんなにパワフルなんだぁ~ 

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戻ってきて再びプラグ点検。。

4本ともきれいに焼けてます。。  

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エンジン降ろして・・・・



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インジェクションシステムから 本来のバンプラ仕様に戻します。。


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本来のバンプラの仕様に戻りました。。。


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こうして、安心オートマとフルオーバーホールされたエンジンは

箱詰めされて再びキャメルに戻ります。。


乾杯1

今回も快調でいいオートマができました。

エンジンもフルオーバーホールで

50年前に若返ってビンビン元気になりました

元気なエンジンとスムーズなオートマをお確かめください




本編に戻る 『SKT様 リバースが滑ってしったバンプラ・・安心オートマにします』


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