曽根です。
YMM様の99年式オートマクーパー
愛知県から安心オートマらくらく便で届きました。。
リバースが繋がりにくく繋がった時に金属が擦れるよな音がする・・・のとギヤ抜けの改善のご依頼です。
前進のタイムラグは2秒くらい
リバースはコツンと入った感触がないまま滑りながら動き始める感じ・・・
ブレーキ踏んだままリバースに入れて軽く煽ると1700回転を超えてしまいストールテストはNG
入庫時のオートマ油圧チェックではリバースの油圧が標準の半分しかないことが判明・・・
ドレンボルトの鉄粉は少ないのでギヤドラムが再使用できるかもしれない…運命の分かれ道~
ギヤ抜けは3⇒4速ですね。。。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
では、ここからは九州からの分解点検レポートです。。
診察台に乗ってドキドキ・・・
インナージョイントのブーツはタイラップ締めでした。。
繋ぎ目の突起がATケースと干渉するのでタイラップはNGです。
キャメルの入庫チェックで作動確認できてるので
サーモスタットは今回再使用いたします
今回のオプション
磁力フィルターPECS・・これはもう安心オートマと一心同体ね。。
アルミ製のキックダウンS/W
ハーモニックバランサー
今、欠品中ですがキャメルの秘蔵在庫から探しました‥(笑)
ウォーターポンプとコアプラグを外して、高圧洗浄機で水路の洗浄します。
ドレンボルトに鉄粉の付着はほとんどないです・・・・
プラグの燃焼状態はあまり良くないですね。。
完成検査の試運転後に再チェックします。
コンバーターを取り外します。
コンバーターシールは made in England 新車当時の純正品がそのままでした。
1度も分解されてない可能性ありますね。。
フィルターヘッドを取り外し・・
フロントエンドパネルを外してみたら
デフサイドのブロンズが出てきました。。
まだどこかに潜んでいることでしょう。。。
リバースのブレーキバンドは消耗してますね。。。
3速はまぁまぁまだ大丈夫かも・・・といったところ
2速もまぁまぁですね。
オイルポンプのクリアランスは0.14㎜のシックネスがスルスル・・・
再使用不可です。。
オートマのオイルポンプは新品供給が無いので独自に再生したオリジナルリプロダクト品を使用します
プライマリースラストのクリアランスは広すぎます。
この隙間を埋めるスラストリングは販売されてないのでワンオフ品で追い込みます。。
ここまで追い込みました。。。
各気筒のリークダウンテストは良好。 バルブの密着はイイですね。。
タペットクリアランスも基準値内でした。
テンショナーパッドの減ってる状態から推測すると20万キロくらいかと思われます
現在のメーターが9060㎞と聞いてるのでメーター2周目でしょうか。
参考までに・・・
上のテンショナーパッドがワンオーナー16万キロ走行の物です。
エンジンとオートマを切り離して中を点検します。。
取り出します・・
おぉ~
リバースバンドが掛かってるギヤキャリアケースには変色は見られるものの表面の削れは無く再使用できますよ。
ブレーキバンドは金属部分の露出はなく摩擦材はまだ残ってます。
ギヤドラムとブレーキバンドの間にオイルを介しているので
1mmほどの摩擦材で20万㌔ッ走行しても大丈夫なんです。
オイルは重要なパーツです。。
オートマのメンテにオイルの話しが欠かせないわけです。
油圧漏れの犯人がいました。
リバースのサーボピストンシールが切れてました。
ココから油圧漏れしてリバースのブレーキバンドを締められずにスリップしてたのですね。
熱によるゴムの劣化などでシールが硬化してるところに、
オイルポンプの油圧低下や摩擦材の消耗によりサーボピストンのストロークが増えたところに
切れるきっかけとなる急な油圧変化があったのでしょうか・・・推測ですが。
メインシャフトブッシュは拡大してるので交換が必要です
オイルポンプの吸い口のストレーナーメッシュの下には
デフのブロンズや摩擦材の一部が溜まってました。。
フォワードクラッチ
トップ&リバースクラッチ 両方ともに溝が無くなってて使用限界を超えてました。。。
クラッチ板がノーマルフィルターで20万㌔走行でほぼ使い切る・・・・とすると、
鉄粉を100%除去するPECSやキャメルで使用しているオイル添加剤SOD-1で
クラッチ板の密着力が良くなることで30万㌔以上の耐久性は狙えますね。。。
3速ドラムブッシュは・・・
摩耗してるので交換が必要です。
リバースと3速は変速ショックを和らげるために、変速のたびに締め付ける動作が入ります。
3速ドラムの軸が摩耗することで締め付けるまでのタイムラグも生まれ変速フィーリングにも悪影響を及ぼします。
ギヤキャリアの軸受けブッシュも段付き摩耗。。。
Oリングは硬化してオイルシールの役目を果たしてない状態でした。
3⇒4速でギヤ抜けの症状がでるのはここからの油圧漏れが原因です。
安心オートマではこの部分は熱に強い 特殊フッ素ゴムを使用しています。
エンジン側の分解です
取り外した親子メタル。。
1番側の上のメインメタルはブロンズが顔を出してます。。
オートマMINIはこの部分が消耗するケースが多いです。
親子メタルはオイルの通り道であり、ここのクリアランスが広がると油圧低下します。
MINIはエンジンとオートマが同じオイルで潤滑、動作しているので、油圧低下の原因が
エンジン、オートマのどちらにあっても、両方が影響を受けることになります。
安心オートマがオートマ本体だけでなく、エンジンの親子メタルを必ず交換する理由です。
使用するメタルは現在チョイスできる最高品質のACL
安心オートマのロングライフを目指します。
トルクでキチっと締めて 手でクランクがスルスル回ることを確認します
オイル漏れしやすい右のデフサイドシール周辺は入念な処理を行います
安心オートマ出来上がり・・・・
毎回同じように下記のように組み込まれます。
● オートマ組み込み ギヤトレイン編
● オートマ組み込み ハウジング編
完成検査に向けて組付け作業を進めます
ハーモニックバランサー取り付きました
パッキンによる油圧トラブルを限りなく減らしたいので
オイルポンプのガスケットはSVオリジナルの銅製を使用します
コンバーターシールはTTO製になってから2年目になりますが
今のところ漏れた個体は無く、今までのシールより優秀かなと。
まだまだ継続観察は必要ですが・・・・ 期待したいです。。
カバーと干渉しないか確認しながら組み付けます
インヒビターの作動確認
ノーマルフィルターではオートマMINIを救うことはできません・・・・
安心オートマとPECSはセットです
オートマMINIの漏れの定番 キックダウンS/W からの漏れ根絶作戦実施中。。。
キックダウンレバーを定位置に調整。
キックダウンの動きも確認。
補機を組付け、試験車両に積み込みます
冷間油圧を確認してから試運転です。
約30㎞の実走行テストで、エンジンの状態、ギヤの入り方、変速など実際に動かして確認します。
ここで少しでも気になる点があれば再分解する覚悟で試乗するわけですが
たいへんスムーズな変速で問題なし。。。
戻ってきてから温間油圧測定です。
前進側7.2kg 良好です。
リバースは11.5㎏ 正常ですね。
エンジンに掛かる負荷をにミニモニのMAP値で推測します
ニュートラルで32kpa 軽く回ってる状態です。
ドライブに入れてコンバーターに負荷をかけた状態です。
コンバーターベアリング等に異常があって重くなると60Kpaを超える場合があります。
この個体は正常です。。
全てのテストを終えてエンジンを降ろします。
ヘッドからのオイル漏れもありません
プラグの状態も良くなりました。。 良い燃焼ですね
ドレンプラグの状態もOK
完成です。。。
今回もいいオートマができました。
暖機運転は必ず実施してください。
そして、気持ちのいいシフトを末永くお楽しみください。
本編 『YMM様 ギヤ抜けとリバース滑りで安心オートマらくらく便使って愛知県からです』 に戻る・・
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YMM様の99年式オートマクーパー
愛知県から安心オートマらくらく便で届きました。。
リバースが繋がりにくく繋がった時に金属が擦れるよな音がする・・・のとギヤ抜けの改善のご依頼です。
前進のタイムラグは2秒くらい
リバースはコツンと入った感触がないまま滑りながら動き始める感じ・・・
ブレーキ踏んだままリバースに入れて軽く煽ると1700回転を超えてしまいストールテストはNG
入庫時のオートマ油圧チェックではリバースの油圧が標準の半分しかないことが判明・・・
ドレンボルトの鉄粉は少ないのでギヤドラムが再使用できるかもしれない…運命の分かれ道~
ギヤ抜けは3⇒4速ですね。。。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
では、ここからは九州からの分解点検レポートです。。
診察台に乗ってドキドキ・・・
インナージョイントのブーツはタイラップ締めでした。。
繋ぎ目の突起がATケースと干渉するのでタイラップはNGです。
キャメルの入庫チェックで作動確認できてるので
サーモスタットは今回再使用いたします
今回のオプション
磁力フィルターPECS・・これはもう安心オートマと一心同体ね。。
アルミ製のキックダウンS/W
ハーモニックバランサー
今、欠品中ですがキャメルの秘蔵在庫から探しました‥(笑)
ウォーターポンプとコアプラグを外して、高圧洗浄機で水路の洗浄します。
ドレンボルトに鉄粉の付着はほとんどないです・・・・
プラグの燃焼状態はあまり良くないですね。。
完成検査の試運転後に再チェックします。
コンバーターを取り外します。
コンバーターシールは made in England 新車当時の純正品がそのままでした。
1度も分解されてない可能性ありますね。。
フィルターヘッドを取り外し・・
フロントエンドパネルを外してみたら
デフサイドのブロンズが出てきました。。
まだどこかに潜んでいることでしょう。。。
リバースのブレーキバンドは消耗してますね。。。
3速はまぁまぁまだ大丈夫かも・・・といったところ
2速もまぁまぁですね。
オイルポンプのクリアランスは0.14㎜のシックネスがスルスル・・・
再使用不可です。。
オートマのオイルポンプは新品供給が無いので独自に再生したオリジナルリプロダクト品を使用します
プライマリースラストのクリアランスは広すぎます。
この隙間を埋めるスラストリングは販売されてないのでワンオフ品で追い込みます。。
ここまで追い込みました。。。
各気筒のリークダウンテストは良好。 バルブの密着はイイですね。。
タペットクリアランスも基準値内でした。
テンショナーパッドの減ってる状態から推測すると20万キロくらいかと思われます
現在のメーターが9060㎞と聞いてるのでメーター2周目でしょうか。
参考までに・・・
上のテンショナーパッドがワンオーナー16万キロ走行の物です。
エンジンとオートマを切り離して中を点検します。。
取り出します・・
おぉ~
リバースバンドが掛かってるギヤキャリアケースには変色は見られるものの表面の削れは無く再使用できますよ。
ブレーキバンドは金属部分の露出はなく摩擦材はまだ残ってます。
ギヤドラムとブレーキバンドの間にオイルを介しているので
1mmほどの摩擦材で20万㌔ッ走行しても大丈夫なんです。
オイルは重要なパーツです。。
オートマのメンテにオイルの話しが欠かせないわけです。
油圧漏れの犯人がいました。
リバースのサーボピストンシールが切れてました。
ココから油圧漏れしてリバースのブレーキバンドを締められずにスリップしてたのですね。
熱によるゴムの劣化などでシールが硬化してるところに、
オイルポンプの油圧低下や摩擦材の消耗によりサーボピストンのストロークが増えたところに
切れるきっかけとなる急な油圧変化があったのでしょうか・・・推測ですが。
メインシャフトブッシュは拡大してるので交換が必要です
オイルポンプの吸い口のストレーナーメッシュの下には
デフのブロンズや摩擦材の一部が溜まってました。。
フォワードクラッチ
トップ&リバースクラッチ 両方ともに溝が無くなってて使用限界を超えてました。。。
クラッチ板がノーマルフィルターで20万㌔走行でほぼ使い切る・・・・とすると、
鉄粉を100%除去するPECSやキャメルで使用しているオイル添加剤SOD-1で
クラッチ板の密着力が良くなることで30万㌔以上の耐久性は狙えますね。。。
3速ドラムブッシュは・・・
摩耗してるので交換が必要です。
リバースと3速は変速ショックを和らげるために、変速のたびに締め付ける動作が入ります。
3速ドラムの軸が摩耗することで締め付けるまでのタイムラグも生まれ変速フィーリングにも悪影響を及ぼします。
ギヤキャリアの軸受けブッシュも段付き摩耗。。。
Oリングは硬化してオイルシールの役目を果たしてない状態でした。
3⇒4速でギヤ抜けの症状がでるのはここからの油圧漏れが原因です。
安心オートマではこの部分は熱に強い 特殊フッ素ゴムを使用しています。
エンジン側の分解です
取り外した親子メタル。。
1番側の上のメインメタルはブロンズが顔を出してます。。
オートマMINIはこの部分が消耗するケースが多いです。
親子メタルはオイルの通り道であり、ここのクリアランスが広がると油圧低下します。
MINIはエンジンとオートマが同じオイルで潤滑、動作しているので、油圧低下の原因が
エンジン、オートマのどちらにあっても、両方が影響を受けることになります。
安心オートマがオートマ本体だけでなく、エンジンの親子メタルを必ず交換する理由です。
使用するメタルは現在チョイスできる最高品質のACL
安心オートマのロングライフを目指します。
トルクでキチっと締めて 手でクランクがスルスル回ることを確認します
オイル漏れしやすい右のデフサイドシール周辺は入念な処理を行います
安心オートマ出来上がり・・・・
毎回同じように下記のように組み込まれます。
● オートマ組み込み ギヤトレイン編
● オートマ組み込み ハウジング編
完成検査に向けて組付け作業を進めます
ハーモニックバランサー取り付きました
パッキンによる油圧トラブルを限りなく減らしたいので
オイルポンプのガスケットはSVオリジナルの銅製を使用します
コンバーターシールはTTO製になってから2年目になりますが
今のところ漏れた個体は無く、今までのシールより優秀かなと。
まだまだ継続観察は必要ですが・・・・ 期待したいです。。
カバーと干渉しないか確認しながら組み付けます
インヒビターの作動確認
ノーマルフィルターではオートマMINIを救うことはできません・・・・
安心オートマとPECSはセットです
オートマMINIの漏れの定番 キックダウンS/W からの漏れ根絶作戦実施中。。。
キックダウンレバーを定位置に調整。
キックダウンの動きも確認。
補機を組付け、試験車両に積み込みます
冷間油圧を確認してから試運転です。
約30㎞の実走行テストで、エンジンの状態、ギヤの入り方、変速など実際に動かして確認します。
ここで少しでも気になる点があれば再分解する覚悟で試乗するわけですが
たいへんスムーズな変速で問題なし。。。
戻ってきてから温間油圧測定です。
前進側7.2kg 良好です。
リバースは11.5㎏ 正常ですね。
エンジンに掛かる負荷をにミニモニのMAP値で推測します
ニュートラルで32kpa 軽く回ってる状態です。
ドライブに入れてコンバーターに負荷をかけた状態です。
コンバーターベアリング等に異常があって重くなると60Kpaを超える場合があります。
この個体は正常です。。
全てのテストを終えてエンジンを降ろします。
ヘッドからのオイル漏れもありません
プラグの状態も良くなりました。。 良い燃焼ですね
ドレンプラグの状態もOK
完成です。。。
今回もいいオートマができました。
暖機運転は必ず実施してください。
そして、気持ちのいいシフトを末永くお楽しみください。
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