曽根です。


2020年スーパーバトル第1戦のインジェクションチューニングクラスで2位フィニッシュした後

ピストンが溶けるほどのダメージが発覚。。。 

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その前にインナーサイレンサー付けっぱなしで全開走行したのが原因ですが・・・・


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右の赤枠の数値が今回エンジンを降ろす前に抜いたオイルの分析結果です。 

レース毎にオイル分析してますが、ピストンが溶けたエンジンからの排油に特に異常値はありませんでした。

鉄(Fe)も0.004% で全く問題ないレベルでした。


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ドレンの鉄粉もレースを闘ったオートマとしては少ない方です。

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もちろん磁力フィルターPECSが仕事してくれてるおかげです。

30ミクロン以下の微細な鉄粉はノーマルの紙フィルターは通過してしまいます。

それらすべての鉄粉を捕捉してくれるPECSのおかげで2次摩耗を防ぐことができてます。。。








ワークスATの安心オートマは超過激な使い方にも負けず変速も全く問題なく、

排油分析からも、内部の異常摩耗も無くそのまま使用することは可能ですが、

試してみたいことがあるのでエンジン降ろしたついでに分解しました。。



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● スタートダッシュは1380ccにしてからはかなり改善して、筑波サーキットの第一コーナーまでに抜かれる台数は減ったんだけど、4速のギヤ比が高いんで4速になると加速力が一気に落ちちゃってさぁ・・
特にバックストレート途中から最終コーナーそして第一コーナーは4速なんだけど、パワーバンドに乗りきれないんだよなぁ・・  マニュアル車みたいに自由なギヤ比をチョイスできないのがオートマ車の弱みです。

● パワー上げたら2速から3速へのシフトアップで アクセルを緩めないとちょっと滑るんだけど、3速バンドをもっと強力に締められないかなぁ。。




岩崎さんと相談して全面的にご協力いただき秘策を行っていただきました。

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まずは分解点検から、

過激にレースを闘ったオートマの状態をチェックします。

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安心オートマ専用にリメイクしたオイルポンプ。

理想的なクリアランスを維持してます。 

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ブッシュの摩耗も

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ほとんど無く、そのまま再使用いたします。





フロントパネルを開けてバンドの消耗チェック・・

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リバースバンドはほとんど消耗してません

レースではバックしませんが、変速時の回転を合わせる時にもリバースバンドの締め付け動作が入るのでリバースバンドもちゃんと仕事してます。


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3速も問題なしでした。

高回転で2速→3速に変速するときに、アクセル全開のままだと喰い付くまでちょっと滑るので少々心配してましたがほとんど消耗してませんでした。

今回、この3速バンドを幅広にして喰い付きがよくなるか実験します。。。


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2速も問題なし。。。



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エンジンと分離。。


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フォワードクラッチはほとんど消耗してません

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T&Rクラッチも同じくほとんど消耗してませんでした。



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ギヤドラムのブッシュ測定・・

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全く大丈夫でした。




ここまではオートマに関してはほとんど消耗もなくそのまま再使用できたのですが・・・・

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対になってる2組のベベルギヤの片方が剥がれてるのを発見。。。

両方のベベルギヤが剥がれると、前にも後ろにも動かなくなってしまいますが、

片方が剥がれても走行には支障がないので全く気付くことができません。。

なので安心オートマは点検で必ず分解して確認しています。

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1380ccがパワーあるといっても前進じは変速ショックを和らげる機構があるのでパワーでネジ切れることはまずないと考えます。

とすると・・・レースでのシフトダウン時の衝撃が原因なのかな。。。

レース中の車載動画見ても夢中になってるとけっこう激しいシフトダウンしてるかも・・気を付けないと。。

このベベルギヤは再使用不可です。


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エンジンブロック側の点検ですが、

エンジンブロックの2,3番シリンダーの間にヒビが入ってるのを発見。。

ブロックの再使用不可・・・

インナーサイレンサー付けっぱなしの異常燃焼は激しかったんだな・・・・

ほんと、みんなも気を付けてください。


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メタルは親子ともに少々荒れ気味でした。


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コンロッドメタルはブロンズが顔を出してました。。。

油膜が足りなかったようです・・・・

油温上昇による粘度低下が予想以上に大きかったのかもしれません。

もともと、オートマ車はマニュアル車に比較してエンジン油圧が低いという宿命があります。

この問題は別ブログで改めて考えていこうと思います。




さてここからは、テッペンを目指すための秘策。。。

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4速のギヤ比だけを落とすことができればいいんですが無理なので

デフのリングギヤを1000ccのものを使うことで全体のギヤ比を落とすことにします。。

とはいっても、大きなリングギヤは加工しないと収まりませんでした。。。

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ピニオンギヤも1000cc用をチョイス。。。


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スピードメーターのドリブンギヤも1000cc用。。

1速から4速のギヤ比は変わりませんが、最終減速比を落とすことで4速が使いやすくなります。

これで、最終コーナーでの速度の落ち込みが減るはず・・・・。

ただし、高回転キープの代償としてコンバーターからの発熱により今までより油温上昇することになるので、更なる油温と油膜に対する対策も必要になります・・。




そして、3速へシフトアップしたときの滑り対策・・・

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3速と2速バンド(19㎜幅)に幅広のリバースバンド(25㎜)を流用することで接触面積を稼ぐ作戦。。。


3速ドラムは24㎜なのでバンドの方が1mm広く両端が0.5㎜づつはみ出るサイズでドラム全体を締め付けることができます

右側の2速バンドも、ほぼドラム幅いっぱいにセットされました。。



下の写真は本来の3,2速バンドです。。

ブレーキバンド2

本来のサイズと比較するとかなり幅広になってるのが分かります。。


締め付けるサーボピストンは変えられないので締め付け力は変わらず、接触面積の増大だけでどこまで強く締めることができるかが課題です。

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幅広バンドと大口径リングギヤの、ワークスAT用スペシャル安心オートマ完成です。


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ワークスATのエンジンは、新ピストンで造りなおすので、走行テストの為に他のノーマルエンジンを借りてドッキング。。


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いつものようにテスト走行用MINIに積み込みエンジン始動。。

冷間油圧を確認してOKなので、実走行テストに出かけます。


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いつもの安心オートマテストと同じく約30kmのテスト走行で

タイムラグ、シフトアップ、シフトダウンなどオートマの作動を厳しくチェック。


走行テストは問題なく終了。。

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工場に戻ってきて温間油圧チェック

前進側7kgです。  十分です

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リバース 11.5kg  イイですね。。

完成です。

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今回はブロックは使用できないのでオートマだけを出荷。。。

エンジン製作中のストックヴィンテージへ直送します


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岩崎さんと二人三脚のパートナーシップでできたワークスAT用スペシャル安心オートマ。。

企画どおりに作り上げてくれた岩崎さんありがとうございます。


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そして、ワークスATは、エンジンとオートマの積み込みのためにストックヴィンテージへ移動します。。。



ワークスATスペシャルエンジン編に続きます。。






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