曽根です。



オートマのオイル漏れ原因ナンバーワンは

このフィルターケースパッキンです。

たかがパッキン、されどパッキン。。。


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AT車のフィルターケースはMT車より断然高い油圧に耐える必要があります。

油温が低い時にリバースに入れれば15kg近くの油圧が掛かります。

ただしオイル漏れの原因は単に高圧というわけではなく、

パッキンが溝にしっかり入っていなかったのにケースを締めこんでしまった、という単純な取付け方の問題もありますが、

パッキンのサイズが僅かにちがうことでタルみがでたり、

溝より幅が広すぎて奥まで入らずに途中で止まってしまったり

逆に溝より細すぎてケースの肉厚からずれてしまったり・・・・

取付けてすぐに漏れてくれればすぐにやり直せば問題ないのですが、

たいていの場合、取付直後はゴムの弾力性もあって少々問題があっても漏れてこないことが多い。・・・というのがメカニックの泣き所なんですよね。

1000㎞走ってから漏れだすなんてこともあります。

溝の中に押し込まれたパッキンは最初は弾力があって、フィルターケースと少々ズレて当たってても堰き止めてくれますが、高熱などによってだんだん弾力が無くなってくると堰き止められなくなったり、
強く当たっているところはせん断力によって切れてしまったりします。

普通の紙フィルターに付属しているパッキンで満足のいくものってなかなか無いですね。

そして、製造工場が急に変わって品質やサイズが変わってしまう、ということはMINIの部品供給の歴史からみれば当たり前のことのようです。

紙フィルターの場合は、通常はオイル交換2回でフィルター交換なので、まぁ6000㎞くらい漏れずにいてくれれば合格なわけですが、当社が販売しているPECSだと2~3万キロは漏れないパッキンが必要になってくるわけです。

そのためには、

●サイズがピッタリ

●高温でも長期間弾力性を保つ、

●フィルターケースで押さえつけられても切れない、耐せん断性能

を満たすパッキンが欲しいのです。。。

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現在出回ってるパッキンのサイズを測ってみよう

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これはOリングタイプ。  Oリングだから形状は円筒型

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直径は1.96mm  内径は74mm





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これはグリーンリングと呼ばれる、いわゆる当時ものの純正品で、

サイズ品質ともに最高品質品としてドゥトレーディングさんから供給してもらってますが、

在庫品限りでもう残りわずかなのです。。。

現在最高品質といわれるこのグリーンリングでも1万キロ以上の耐久性はやや不安。。

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サイズは幅2mm 高さ約3.4mm  内径74mm

キチッと組めば1万キロ以下なら大丈夫なので、サイズはお手本になると思います。

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Oリングタイプと、標準型の角タイプ

Oリングは溝への入りやすさで初期馴染みは良さそうですが潰れた時の容積では

角タイプが2倍以上で緩みに対しては角タイプの方が強そうです。




フィルターヘッドのパッキンが入る溝の形を見てみます。

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入口は広く、奥が狭くなってます。

一番奥にしっかり収まらないとズレちゃうのです。

ノギスを入れても底の部分はなかなか正確に測れません・・・・・・


うーん、どーしよ。


そうだ。
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最近、ABSのエアロパーツ製作でお世話になってるファイアスポーツに相談しよう。。


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仕事中の森田社長をつかまえて、

『このフィルターヘッドの溝の型取りできない?』  と、私。

『そんなことやって何すんの~?』

『溝の形をみたいんだけど・・』



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翌日、 できたよー  と連絡あり。

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型取りする粘土だとうまくいかなくて、樹脂を流し込んだよ。。

と、森田社長。。



ありがとうございます。

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これが、溝の形です。





一番底の狭くなってる部分を測ってみます。



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樹脂型の誤差も測定誤差もあるから何か所か測ってみます。

1.92mm

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1.94mm

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1.89mm

溝の底はだいたい1.9mmですね。。 

フィルターヘッド側だって凸凹してますから、1/100mm単位で測ってもそんなもんでしょ。

2mm未満ということは分かりました。



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溝のやや上の方は・・・

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2.04mm

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2.05mm

2mmより広く2.1mmより狭い 


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溝の上と下で僅かにテーパーになっているのですが、

グリーンリングはその平均を取った2mmジャストというサイズ。

2mm幅がイイという裏付けが取れました。



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次に製法ですが、現存する角タイプのパッキンは

チューブのような形で作ったものを・・


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こうして輪切りにしていくという作り方です。




これから作るパッキンも輪切り作戦で作ろうとしたのですが、

カットする刃がすぐにダメになってしまう・・・・という問題が勃発

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パッキンの材料として選ばれたゴムは紡績工場で糸をピンと張るためのローラーの中でも耐久性の高いものをベースに自動車用に使えるよう耐油性なども強化して独自開発されたもので、すでにMT用PECSのパッキンで使用しており実証済みです。


高温と糸による強いせん断力で普通のゴムローラーだと1週間で切れてしまうところを、1ヶ月間 6か月間持つという材料を選びました。

高温でも弾力を失わず、せん断に強い という

オートマのフィルターパッキンに必要な条件を揃えているゴムです。

輪切りにしようとして刃物がすぐにダメになってしまうほどの耐せん断性能は凄すぎですな。

チューブにして輪切りにできればコスト的には安く作れたんですが、

結局、型を起こしてひとつづつ作るということになりました。


絶対漏れない!いつまでも漏らさない! オートマのフィルターパッキンを作るために妥協しないことにします。


Image14 もう少しで完成予定です。

日本中のメカニック待望のパッキン・・・・ですぞ






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