曽根です。



広島県のSTN様からバックしなくなってしまったので安心オートマにしたい・・

とのご依頼いただきました。

お客様と相談してオークションで仕入れたMINIだそうですが、

車検取って間もなく、バックしなくなってしまったようです。

BlogPaint

オーナーのUSM様です。

MINIはずっと乗りたかったクルマだったそうです。

オークションでの購入というリスクもSTNさんと相談したうえで充分承知しての決断だったのでしょうね。

仲介したSTN様との信頼関係も伝わってきました。

CIMG3715[2]

安心オートマは、オートマだけをリビルト品に交換する他店とは違い、、

エンジンとオートマは一心同体として再生するというやり方なので車両ごとお預かりします。

イイのは分かってても陸送費が・・・という問題を解決したのが

キャメルの『安心オートマらくらく便パック』  

広島県からでも20200円でキャメルに届きます。。

ゼロ陸送さんが引き取りしたのは2月17日。。 その時の写真を送っていただきました。



~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~




そして4日後の 2月21日 キャメルに到着です。

CIMG8681

バックしないので、何か所かの拠点間も積載車に乗って移動していただきました。

CIMG8692

長旅お疲れさま。。 

2001年登録の40thクーパーリミテットですね。。

CIMG8696

積載車に乗っているところからチェックは開始。。

初対面のMINIの場合、なんとなくそのMINIから出てるオーラのようなものを感るようにしてます・・・


CIMG8699

広島を出る時からこのメッセージボードが置かれてたんですね。

CIMG2797

『バックギヤ入りません』

CIMG2803

入れてみましたが、確かにバックは動きませんでした。

CIMG8701

まずはオイルはどうかな。。

CIMG2845

ん?  多めに入ってるけど色がうすくて変ですね。

水か燃料で薄まってる感じ

CIMG8705

燃料じゃなさそう。   水が混入してるようですがミルクコーヒー色になる前です。

BlogPaint

車検で冷却水は補充されたのでしょうか。。

うーん、水の混入歴は長いのかも。。  ちょっと心配。


CIMG8708

オドメーターは36721㎞。。

平成13年式だから16年間でこの距離は少ないですね。

CIMG2798

ブレーキペダルのゴムの減りは少なく実走行の気配です。

CIMG2806

室内の経たりも少ないですね。

BlogPaint

シートの擦れも少ないです

CIMG2807

ステアリングの擦れも無く、キレイなMINIですね。

CIMG2809

錆が出やすいドア下もきれいでした。


CIMG2804

前進はするので走行してピットに向かいます。

エンジンはメカノイズが大きく、急にストールすることもありエンジンのチェックも必要な感じですね。

水が混入していそうで信用できないオイルなので長時間の稼動はできません。

CIMG2838

ピットで入庫チェックを行います。

BlogPaint

外装を一周チェック。

BlogPaint


CIMG2839



CIMG2889

バンパー下の錆も少なく外装のコンディションもよいですね

CIMG2840


BlogPaint

フロントのフロアの大きな凹み・・ 

左右に同じようになっているので、これは赤丸の部分にジャッキ掛けてしまった跡です。

ここにジャッキ掛けてはいけないのですが、残念ながらここが凹んでるMINIは多いです。

ここはフロントタイヤが掻きあげる水も掛かりやすい場所なので今後の錆に注意です。




CIMG2841

エンジンルームから点検いたします。


CIMG2893

できるだけ短時間のエンジン稼動でミニモニチェックします。

スロポジセンサーにフォルト。

CIMG2894

水温センサーにもフォルトが入ってました。  

すみません、画面が変わってしまってからシャッター切れてしまい、違う表示がでてますが・・。

水温センサーはインマニの下に付いてるので、今回エンジン脱着の際に交換しておきたいです。


CIMG2895

クランク角センサーにもフォルト

急にエンジンストールする原因は、スロポジセンサーとクランク角センサーは関係あるかもしれません。


CIMG2904

水温を上昇させるところまでエンジン回せませんでしたが、他の数値はほぼ規定値内に収まってました。

CIMG2851

ブレーキマスターにフルード漏れありました。




CIMG2850

今後、漏れは多くなる気配です。 ブレーキマスター交換お勧めです。

CIMG2843

ブレーキフルードは補充されたようですね。

CIMG2846

オイルフィラーキャップを開けてロッカーを覗くと・・・・

うーん、オイル管理は良かったとは言えませんねぇ。。

ヘッドもオーバーホールしておきたいところです。


CIMG2848

アッパーホースは過去に漏れたことがあったようですね。

CIMG2849

ヒーターホースのジョイント部。  

純正の樹脂製のままでした。 経年劣化でそろろろ破裂の危険があります。

ステンレスパイプに交換しましょう。




CIMG2854

リフトアップして下回り点検します。

CIMG2885

オイルドレンボルトを抜いて付着している摩耗粉をみます。

CIMG2884

オイルはまだ抜かないので他のドレンボルトを入れておきます。

ドレンボルトには異常な量の鉄粉が付着してます。

CIMG2886

ドレンボルトの磁石から出てる磁力線に沿ってハリネズミのように鉄粉が付いています。

バックできない症状からも、これはギヤドラムが削れてしまってることが推測されます。

これは30ミクロン以下のものも多く紙のオイルフィルターは通過してしまうほどの小さな鉄粉なので

通常はオイルを排出する以外にこの鉄粉を取り去ることはできずずーっと循環し続けてしまうのです。

これを捕捉することができるのはオートマ用PECSだけです。

また、コンバーターの中の区切られた部屋の中に入り込んだ鉄粉はオイル交換では排出されない ですが

PECSが付いていれば、循環してくる鉄粉を捕捉し続けるのでコンバーター内部もきれいになっていきます。

なので、USM様のこのMINIにはPECSは必ず装着させてください。

(*今回はコンバーターは別の中古良品を使用いたします。)



CIMG2859

油汚れをとってデフケース番号チェック

CIMG2861

Z363

CIMG2860

オートマ側も同じ番号でした。


CIMG2855

進行方向左側  漏れはコンバーターシールからか・・



BlogPaint

いきなりアップですみません、 

左ドライブシャフトとフレームの隙間から上に向かって覗いたところです。

赤丸の部分はヘッドとブロックの取付面からのオイル漏れがあります。

オイルに水が混入していることもありヘッドを外して点検しますが、

ヘッドガスケット交換程度で済めばいいのですが・・・・・



BlogPaint

同じ位置から覗いてちょっと左奥に見ると、

ラジエターロアホースからの漏れ跡。

エンジン脱着するので交換のチャンスですね。

CIMG2875

左の足周り  ハブベアリングOK、ボールジョイントはアッパーに小さなガタありですが、グリスアップでもう少し延命できそう。

ドライブシャフトブーツもヒビはなく良好でした


CIMG2877

タイロッドを掴んで上下に振ると大きなガタがあります。

ナイロンベアリングは要交換です


CIMG2878

ダウンパイプを留めるサポートプレートに割れあり


CIMG2866

右側のドライブシャフトインナーブーツからグリス漏れ


CIMG2867

右側  ラックブーツは大丈夫ですがドライブシャフトに深いヒビです。

BlogPaint


半年前後で切れそうな感じです。

エンジン脱着の際にはドライブシャフトを抜くので交換おすすめです。

CIMG2872

フロントの車高はかなり下がってましたが ハイローの調整ネジは限界に近いくらいに伸びてます。

ラバコン交換おすすめです。

アレックモールトンのラバコンは驚くほど乗りごこち良くなりますょ


Cimg2881b

リヤ側はハイローキットではなく、純正のストラットコーンのままでした。

ラバコンが潰れて車高が下がった分、ラバコンとストラットコーンの間に隙間ができてます。

車高調整できるハイローキットはお奨めです


Cimg2880b

ショックアブソーバーは新車からのコニーですがで完全に抜けてます。

ショック交換すれば操縦安定性が格段にアップします。


エンジン脱着に伴い併せて行うメニューは相談していきましょう。


2月24日追記

安心オートマ ヘッドOH エンジンマウントやラジエターなどの水路安心セット

ドライブシャフトブーツ交換 ブレーキマスター交換まではOKいただきました。

エンジン降ろし作業まで今しばらくお待ちください。 <(_ _)> 


追加で、ラバコン、ショックアブソーバー、サブフレームマウント、調整式テンションロッドなどの足回りリニューアルも オーダーいただきました。 



3月4日分 追記

CIMG3314

エンジン降ろします

CIMG4387

オイルはだいぶ粘度が無くなってました

心配していた水の混入は大丈夫そうかな。。

CIMG4391

エンジン取り出し。。

CIMG3322

ヘッドからのオイル漏れで汚れてます

今回、ヘッドOHも併せて行うので、ブロック、ヘッド共にきれいにペイントできます。

CIMG3326

あちこちオイリーな状態ですがオイル漏れが直るのも

安心オートマにするメリットですね。

CIMG9577

取り違えの無いように紙テープでネーム入れて送ります。

CIMG9578

ハーモニックバランサー と ベアリング追加のキックダウンスイッチも同時に取付けします。

CIMG9594

では、九州に旅経ちます。。。



~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~



九州岩崎自動車での安心オートマ と エンジンフルオーバーホールの作業レポートはこちらから・・・・・・・

DSCF2703


DSCF2905



~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*


3月16日  。

DSCF3896

ヘッド、エンジン本体、安心オートマと、完全オーバーホールされて戻ってきました。

CIMG4462

安心オートマでヘッド、ブロックまで、ブルーマイカでペイントされているのはフルオーバーホールの証です。

CIMG4613

エンジンマウント交換

BlogPaint

水廻り エンジンマウント等 積み込みの際に交換できるパーツはリフレッシュします。

今回は漏れのあったブレーキマスターも交換になります。

CIMG4615

受け入れ検査で異常が見つかったクランク角センサー交換

CIMG4645

水温センサー交換

CIMG4646

ブレーキマスター交換

CIMG4629

シリコンラジエターホースに交換。  

メーカー欠品でロアホースだけ黒になっていまいました。。。

CIMG4630

老朽介した樹脂のヒータージョイントパイプからステンレスに交換

CIMG4631

ヒビが入っていたのでファンブレードも交換

CIMG4634

ワークスATでその性能は実証済みの真鍮製コア増しラジエター + ストーンガード


CIMG4639

目が細かくて漏れにくいタペットカバーパッキンを使います。 

CIMG4640

ステディロッドブッシュも交換

CIMG4641

ECUの重要なMAPセンサーに繋がるバキュームホースは

4本とも交換です。

CIMG4643

スロットルボディのジョイント部 俗称ホッカイドー。。 交換

CIMG4483

エンジン載りました。




続いて足回り整備です。。

CIMG4617

左のタイロッドの大きなガタの原因はこのナイロンベアリング。。 摘出成功。交換です


CIMG4621

ドライブシャフトブーツは右だけ交換です。

こちらはインナーCVジョイント

CIMG4620

CIMG4623

メクラ蓋はしっかりシーリングして取り付けます。

緩いとオイルとグリスが タラァ~って漏れてきますからね。


CIMG4625

モリブデングリスをタップリ


CIMG4626

インナー、アウターのオーバーホール完成。

CIMG4627

ダウンパイプブラケット交換


CIMG4648

クーラント入れて、

CIMG4647

冷却水のサプリメント クーラントブースター。。

鉄エンジンのMINIは必須です。


CIMG4649

これも必須。。オートマ用PECS。  


CIMG4650

締め付けはトルクレンチで。。。 19Nm。。




3月25日追記

CIMG4653

ラバコン交換と その仲間一同たち。。。

足回りパーツ 総出演です。

CIMG4660

こちらはリヤ側

ノーマルのストラットコーンからロードアジャスターに交換

CIMG4659

リヤのラバコン   新旧交代の儀。。

CIMG4665

ショックも使い切ったコニーから、ビルシュタインB4へ


CIMG4668

エイボンバーのロアームブッシュはチューブとブッシュンの間にグリス注入するタイプで

動きが抜群です。

CIMG4670

テンションロッドは取付けたままで長さを調整できるタイプに交換

CIMG4671

テンションブッシュもエイボンバー。。。  大事なところですからね。

CIMG4672

Fサブフレームのリヤ側は三和さんの強化品に交換。


CIMG4673

ココもハンドリングに大きな影響あります。


CIMG4676

サブフレームとボディの間に入ってるタワーマウント。。。

お疲れさまでした。。。

CIMG4678

ここのタワーマウントブッシュもエイボンバー。

ステアリングレスポンスの良さと、微振動遮断の 絶妙なバランスが必要なパーツです。

CIMG4680

Fサブフレームの前側のマウントも交換。

これでサブフレームマウントは全部交換になりました。

CIMG4687


CIMG4688

バンプストッパーも三和さんの強化品に交換



CIMG4696

フロント側に入ってたラバコンを取り出しました・・・・

CIMG4686

約半分の高さになってしまってました。 

これ見ただけでも 乗り心地はグーンと良くなりそう。。

CIMG4690

アッパーアームの上にこんな感じでラバコンが乗っかります。。

CIMG4697

足回り リニューアル完成です。

CIMG4701

クーラーガスは良く冷えて大気解放もOKな、COLD12 です。

CIMG4702

エンジンの調子見ながら水温上げて電動ファンの作動チェック。。

OKでした。




4月6日追記

CIMG4783

完成検査でミニモニチェックします。

CIMG4775

エンジン脱着でセンサーにフォルトが入いる可能性あります。


CIMG4776

CIMG4777

リセットする?

CIMG4778

リセットしたよ。。


BlogPaint

で、現在はノーフォルトになりましたので、今後フォルトが再発したときは

何らかの問題が起こった可能性があります。



BlogPaint

ガソリン20リットルでほぼ満タンになりました。

BlogPaint

燃料添加剤ヒューエルワンも同時注入しておきます。

燃料系のお掃除はもちろん、満タンじゃないときのガソリンタンクの錆び止めにも有効です。




いよいよ旅立ちの時が近づきました。

CIMG5090

道中、複数のドライバーが乗ることになるので

暖機運転のお願いは分かりやすく貼っておきます。



CIMG5120

陸送ゼロのドライバー到着。。。


CIMG5121

まずは彼が近くの拠点まで自走で運びます。

CIMG5123

オイルと水はドライバー自身が点検してから・・・・というお約束ですね。

こうしてキチッとやっていただけので安心して任せることができます。


CIMG5124

では、広島に向けて出発です。


USM様  このたびはキャメルの安心オートマを御指名しただきありがとうございました。

最初のオイル交換は1000Km以内で行ってください。

その後は約3000Km毎が目安ですが、その間もオイル量のチェックはお願いします。

PECSの清掃は初回は1万キロ程度で行っていただき、その時にPECSの付着している摩耗粉の量で

次回の清掃予定を立ててください。 通常ですと3万キロに一度の清掃が目安になります。

では、広島到着までもう少しお待ちください。




4月28日追記

広島のカーズシタナカ様より写真送っていただきました。

CIMG3723[2]

安心オートマになってから1000Km走行されたそうで1回目のオイル交換されたそうです。

オイルはwako'sのプロステージ10W40.

ドレンの摩耗粉は標準的だったそうです。

信号待ちでエンストする症状が時々あるようですが、他はたいへん快調だそうです。

エンストしても再始動は問題ないとのことですね、スロポジセンサーかもしれないですが、

もう少し状況観察お願いします。

CIMG3725[2]

快調なMINIでドライブ楽しんでください。

また、メンテ報告お待ちしてます。

ありがとうございました。













にほんブログ村 車ブログ MINI(ミニ)へ
キャメルはブログランキング参加しています

キャメルオート オンラインショップ
キャメルオート オンラインショップ
PECSや売れ筋パーツ販売してます




ローバーミニ専門店 キャメルオート
          http://camel-auto.co.jp/ TEL.0120-810-002