曽根です。


ASK様の98年式BSCCオートマ。。。

ちょっと走るとストールしてしまい、すぐには再始動しないという症状とのことです。。

修理で預けていた業者さん経由でのご依頼で入庫いたしました。

SQOR0581

今日は積み込む前に2㎞ほど走行できたようです・・・気まぐれな症状ですね。

SQOR0590

入庫時バッテリーは上がってたのでハンディバッテリーで始動。。。

エンジン掛かりました。。

SQOR0591

BSCCは緑革の内装。。いいですね。

SQOR0599

まだエンジン回ってます。。 今のうちにチェック。。

SQOR0600

ブレーキフルードは減ってます。。 どこかから漏れてます。

あぁ ここでエンジンストールしてしまいました。

ISK_3398b

もう一度ハンディバッテリー繋いで再始動できました


慌ててミニモニでECUチェック。。。

SQOR0602

フォルトは3つ。 吸気温センサー

SQOR0603

MAPセンサー

SQOR0604

そしてクランク角センサー

どういう過程でフォルトが入ったのかわからないので一旦フォルト消します。。

SQOR0605

リセットして

SQOR0608

フォルトは消えたのですが・・・

ハンディバッテリーを繋いでも再始動できなくなってしまいました。。

ISK_3564

すみません・・・すぐに手が付けられずしばらく放置中。。


SQOR0629

ピットまで押してきて車からジャンピングで始動を試みましたがセルモーターがしっかり回らず始動しません。。。

SQOR0633

今日は時間切れ・・ バッテリーを一晩充電して明日以降に再チャレンジします




7月16日追記



翌日バッテリーが元気になりエンジン始動しましたが・・・やはりしばらくするとストールします

アイドリングからだとストールしている間の状況が見えないので回転を上げてストールしてエンジンストップするまでの様子をチェックします。



ストールしている時のタコメーターの下がり方は緩やかです。。

点火してるけど燃料が行かないって感じに見えます。





SQOR0647

燃料ポンプリレーも入ってるメインリレーをテスト用に交換してみます。

SQOR0646

交換してみましたがストールしました。

でもポンプ本体がダメな場合もありますね・・・・

AZM_0991


ストールしてエンジンが止まるまでの間、タンク内の燃料ポンプの作動音はしてるのでポンプは大丈夫。

ストールする時インジェクターまでの燃圧は掛かり続けていることになります。





点火はどうでしょう?



ストールしてエンジンが止まるまでの間、点火し続けていることが分かりました。

残っているのは・・インジェクター本体、ECU本体、それらを繋ぐ配線か・・・



7月19日追記

今日は朝からエンジン始動しません

インジェクターボディに直接ガソリンを垂らしてセルを回すと・・

垂らしたガソリンの分だけエンジン回りました。。

SQOR0714

インジェクターから燃料が噴射すればいいんだよな。。

SQOR0716

インジェクターを交換してみよう。。

SQOR0717

インジェクターは新品供給が無いので他のMINIから一時的に拝借して試します。。

SQOR0719

インジェクター交換。

SQOR0725

始動しなかったエンジンが快調に回り続けてます。。。

インジェクター本体が最重要参考人として浮上。。。


インジェクターの詰まり??

もう一度元のインジェクターに戻してみて燃料系の洗浄剤を入れてみます。

SQOR0724

ワコーズのフューエルワン。。

タンクにガソリン残量が少ないので多すぎるとかぶります・・・

SQOR0727

ブレーキフルード漏れでへってるのでフルード補充して試運転に行ってきます。。

SQOR0728

フューエルワンでインジェクターが綺麗になってそのまま走り続けてくれないかなーーーー。。。

という淡い願いは残念ながらかなわず・・・200m位走行してストール。。

SQOR0731

積載車でお迎え・・

SQOR0733

もう一度別のインジェクターに交換するとエンジン始動。。。

やっぱり原因はインジェクター本体かな。。

とりあえずはインジェクタークリーニングしてみましょうか。




7月20日追記

SQOR0867

超音波洗浄機でインジェクタークリーニングします。

SQOR0872

樹脂パーツとOリングは交換するので取り外します。

SQOR0874

洗浄中・・・

SQOR0938

洗浄終了

SQOR0940

小さな穴まで綺麗になりました。

SQOR0943

樹脂パーツとOリング取り付けてOH完了。。

SQOR0944

インジェクターホルダーに取付け・・・エンジン始動。。

噴射量が違うかも。。

止まる気配がありません。

SQOR0994

止まっても良いようにキャメルの近くを周回テスト走行。。。

SQOR0995

ストールしませんね。。。


SQOR1001

ただエンジンにパンチが無くモァ~って感じです。。

点検が必要ですね。

SQOR0997

前日にいれたフューエルワンがちょっと濃すぎたかな・・・

ガソリン満タンにしてみましたが、モァーとした感じは変化なし。。

SQOR1005b]

エンジンが止まらなくなったのでECUチェックします。

SQOR1006

吸気温センサーにフォルトありますが一過性のかのうせいもありリセットしておきます

SQOR1007


SQOR1008

これでフォルトは一旦消えました。。

SQOR1009

マルチ画面・・・

右下の102は高すぎますね。 

アイドリング時のスロットルバルブの開度をコントロールするステッパーモーターのステップ値です。

エンジン不調でスロットルバルブを開いて回転を維持しようとしてる可能性あります


SQOR1010

インマニの負圧。。これは高い数値です。。

標準は35kpa前後で許容値は37kpaまでですから2次エアー吸ってる可能性あります。

バキュームホースは交換必要かと思われます

SQOR1011

水温は90℃

温度精度は水路洗浄と同時にスリーチェックで確認することをお勧めします

SQOR1012

フォルトが入っていた吸気温センサーですがしっかり数値を出してますね

SQOR1013

電圧はOKです


SQOR1014

O2センサーも稼働してます

SQOR1015

MAP値が高いので濃い燃料を出してるのですね・・・

濃すぎるので薄く燃調補正しています。

エンジンにパンチが無かったのは燃調があってなかったのも一つの原因だと思います



SQOR0953

インジェクタークリーニングで良くなったので燃料フィルターも交換しておきます

左リヤサスの内側にフィルターがあります。

SQOR0954

ラバコンからコイルサスに交換されてました。。。

KUBO0331

7年前に交換されてましたね。。。

KUBO0332

新旧交代・・

KUBO0333

今回も日付を書いておきます


SQOR0952

今回はエンジンストールの修理だけのご依頼ですが

軽く下回りも点検しておきます

SQOR0955

右前の足回り・・

SQOR0956

右側のドライブシャフトブーツのヒビは深く割れる寸前です。。

SQOR0957

右の足回りを後ろから見たところ。。。

他にブーツの切れなどはありません

SQOR0958

左足回り・・  こちらのアウターブーツは大丈夫でした

フロントのショックアブソーバーはオイル漏れがあるのでおそらく抜けてると思います。

コイルサスは特に抜けたショックだと操縦安定性が悪くなるのと、コイルサスの線間接触によりサブフレームにヒビが入りやすくなるので要注意です。

SQOR0959

左のタイロッドを動かすと少しガタがありましたのでナイロンベアリングも交換お勧めです。

SQOR0961


SQOR0962

ミッション番号とデフケース番号が違いますね。。。

過去にオートマの修理をされたようですね

ざっと大まかなチェックさせていただきました。


7月26日追記

水路洗浄とスリーチェックです。

SQOR1297


SQOR1298

ラジエターキャップを開けると口まで冷却水があります・・

リザーブタンクとの行き来はうまくいってます・・。

SQOR1299

ラジエターフラッシュ入れてエンジン始動で洗浄開始


SQOR1300

水温上昇するまでの間に室内のヒーターコアからの漏れチェックします

SQOR1302

漏れは無さそうです。。


SQOR1301

ヒーターコアの洗浄ができるようにバルブを引っ張りましたが・・バルブが開閉しているような抵抗を感じません・・・ 

SQOR1306

エンジン側の水温センサーは72℃まで上昇しましたがラジエターに挿した温度計は42℃くらいをキープしてます。。 サーモスタットの密閉は良好です

SQOR1307

そのまま洗浄しながら水温上昇してラジエター側もインジェクション車のサーモスタット開弁の規定温度88℃に到達。。。

水温センサーの方が数℃高いのが正しいですね。。。

SQOR1309

ラジエターに勢いよく流れ込んでくるのが見えます

サーモスタットは全開になってます。。。

SQOR1312

更に水温上昇してラジエター温度91℃で・・

SQOR1313

電動ファンが回り始めました



SQOR1314

水温を下げるためにヒーターファンを回したら熱い空気がでてきましたので

ヒーターバルブはもし動いてなかったとしても開いたままで固定されてるようです

ヒーターコアは滞留しやすいのでヒーターバルブが開いてる方が水が流れて汚れが溜まりにくいです


SQOR1315

水温が下がって88/℃

SQOR1317

電動ファンがストップ。。

スリーチェックはすべて合格です。

SQOR1328

濯ぎなら排水を始めると水路から臭いにおいがしてきます。。。

動かしてない期間が長かったようですね。。。

SQOR1329

以前も定期的に冷却水は交換されていたようです。

錆びは出てきませんでした。

これからも定期的に水路洗浄を続けていってください。

SQOR1330

ラジエター口から逆流で吸い出します

SQOR1331

次にバイパスホースをクリップで止めてヒーターコアから逆流で吸い出します

SQOR1333

両方とも錆びもなくきれいな排水でした。。。

SQOR1334

ラジエターは割と最近交換されているようです。。

中のパイプやその周辺もきれいでした。

SQOR1335

バイパスホースを抜いたままでエアが抜ける状態で一気に粘度のあるクーラントを入れましたがしっかりと飲み込んでました。。 ラジエターの通りは良好。。

SQOR1336

クーラントブースター注入。。

強力防錆・・そして消泡機能強化で冷却力もアップします

鉄エンジンのMINIは定期的な水路メンテナンスが重要ですので今後も続けていってください。

7/26アズマ追記です

バキュームホースを交換していきます。

AZM_1465

マニホールドからエアクリーナーへ伸びるホースは二次エア防止の為プラグに交換します。

AZM_1467

バキュームパイプは負圧になったとき潰れてしまう恐れがあるので今までより太いシリコンホースに交換します。

AZM_1466

フューエルトラップを洗浄のため外したところパイプが外れていました。ここから二次エアを吸っていてMAP値が高かったようです。

AZM_1468

新しいフューエルトラップを装着します。フューエルトラップにはパイプ折れと抜けの対策をシておきました。

AZM_1472

ミニモニチェック。マルチ画面の数値は計測されています。

AZM_1473

MAPは二次エアがなくなり基準値内におさまりました。

AZM_1474
AZM_1475

水温、吸気温センサーは計測しています

AZM_1476

電圧は良いですね。

AZM_1477

O2センサーは元気にぴょこぴょこと計測中

AZM_1478

燃調二次補正も行われていました。


7月28日追記

本日、業者さんが積載車で引き取りに来られました。

ご案内だけで立会できずすみませんでした。

残ってる必要整備がいくつかございますので対応よろしくお願いします

ありがとうございました。






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